ラブラドールレトリバーの性格とは?特徴や飼い方など徹底解説
#犬種図鑑
穏やかで優しい表情と、がっしりして大きな体つきが特徴のラブラドールレトリバー。介助犬としても有名ですが、古くから人間のお手伝いをしてきた犬種です。
この記事では、ラブラドールレトリバーの性格や特徴について詳しく解説していきます。ラブラドールレトリバーと暮らしている方だけではなく、これからお迎えしようと検討中の方もぜひ最後までご覧ください。
ラブラドールレトリバーってどんな犬?
介助犬やセラピー犬として活躍しているラブラドールレトリバーは、「ラブラドール」「ラブ」などの愛称で親しまれています。つぶらな瞳の優しい表情がかわいらしく、飼い主さんに従順な性格と高い知能で世界的に高い人気を誇っています。「賢くてしつけがしやすい」「飼いやすい」と評価されているので、初めて犬をお迎えする方にもおすすめの犬種です。
ラブラドールレトリバーの歴史
ラブラドールレトリバーの起源は詳しくはわかっていませんが、16世紀頃、カナダのニューファンドランド島に存在していた「セント・ジョンズ・レトリバー」が祖先だという説が有力です。ニューファンドランド島の漁師たちの手伝いをしており、水中作業を得意としていました。
セント・ジョンズ・レトリバーの能力に着目したイギリスの貴族がイングランドへと連れ帰り、鴨などを狩る鳥猟犬とするために改良を重ね、19世紀頃に現在のラブラドールレトリバーが誕生しています。1903年にイギリスで、1917年にはアメリカで正式な犬種として登録されました。
泳ぎが得意なことから「king of water fowl(水鳥回収の王)」とも呼ばれ、現在では盲導犬・警察犬・災害救助犬など、さまざまな場面で活躍しています。
ラブラドールレトリバーはどんな性格?
しつけがしやすく、飼いやすい犬種として人気のラブラドールレトリバー。性格の傾向をあらかじめ把握しておくことで、しつけや信頼関係の構築がよりスムーズになります。ここでは、ラブラドールレトリバーの性格について解説していきます。
フレンドリーで優しい
ラブラドールレトリバーは、とてもフレンドリーで優しい性格をしています。飼い主さんに対して愛情深いことはもちろん、自分より小さい動物や人間の子どもにも友好的にかかわることができます。人に寄り添う性格で攻撃性がないので、小さなお子さまがいるご家庭ではよい遊び相手になってくれるでしょう。
学習能力が高くしつけやすい
ラブラドールレトリバーは、盲導犬や警察犬として社会的に活躍していることからもわかるように学習能力の高い犬種です。もの覚えがよく、集中力もあるのでしつけもしやすく、初めて犬と暮らす人でも安心してお迎えできるでしょう。
活発で遊び好き
穏やかな印象が強いラブラドールレトリバーですが、実はとても活発な性格。特に子犬の時期はやんちゃで飼い主さんと遊ぶことが大好きです。スタミナも十分にあるので、運動不足にならないようしっかりと散歩に行き、遊びながらコミュニケーションの時間もたっぷり取ってあげましょう。
ラブラドールレトリバーの身体的な特徴
ラブラドールレトリバーは、全体的に骨太で筋肉質ながっしりした体型をしています。長い四肢をもっているので、走るのが早く泳ぎも得意。特に「カワウソの尾」と呼ばれる太い尻尾は、泳ぐ際の浮力バランスや旋回の役に立ちます。ここでは、ラブラドールレトリバーの身体的な特徴をさらに詳しく解説します。
年齢別の体重
ラブラドールレトリバーの成長段階ごとの体重推移の目安は、以下のとおりです。
月齢 | 平均体重 |
2か月 | 4〜7kg |
3か月 | 5〜10kg |
4か月 | 9〜15kg |
5か月 | 11〜20kg |
6か月 | 14〜23kg |
7か月 | 17〜26kg |
8か月 | 19〜28kg |
9か月 | 21〜30kg |
成犬 | 男の子:29〜36kg/女の子:25〜32kg |
上記の体重はあくまで目安で、成長スピードや大きさには個体差があります。平均体重から大きく外れる場合は、動物病院で健康状態を診てもらいましょう。
被毛の特徴
ラブラドールレトリバーは、ダブルコートの短毛種。水中作業を得意としていたことから水をよく弾く毛質であり、皮脂が多めであることが特徴です。
毛色は、以下の3種類がスタンダードとして認められています。
- イエロー
- ブラック
- チョコレート
イエローは、ほぼ白に見えるようなクリーム色から赤みを帯びた色までさまざまな色合いがあります。日本ではイエローとブラックが圧倒的に多く、チョコレートを見かける機会はあまりありません。どの毛色の場合も、胸元に「メダル」と呼ばれる白い差し色が入ることがあります。
その他のレトリバーの種類
ラブラドールレトリバーには、アメリカンタイプとイングリッシュタイプが存在することをご存知でしょうか?それぞれの特徴は以下のとおりです。
アメリカンタイプ | イングリッシュタイプ | |
適正 | フィールドタイプ(仕事のお手伝いタイプ) | ショータイプ(品評会のための見た目重視タイプ) |
体型 | 四肢が長くやや大きい | 胴が短くがっしりしている |
顔つき | マズルが長く鼻先にいくにつれて細くなる
頭部の横幅が狭い |
マズルが短めで首がしっかりしている
頭部の横幅が広い |
性格 | 活動的でやや神経質 | 穏やかでおとなしい |
また、ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーを掛け合わせた「F1レトリバー」も存在します。介助犬や作業犬としての能力を引き出すために作出された改良犬種です。
ラブラドールレトリバーの価格相場とお迎え方法
愛犬のお迎えを考えるときに気になるのは、やはり価格のことです。ラブラドールレトリバーの価格の相場は、20万前後。
メジャーな犬種なのでペットショップで見かける機会も多く、専門ブリーダーも探しやすいでしょう。年齢や血統にこだわらない場合は、里親制度を利用するのも選択肢のひとつです。
ラブラドールレトリバーの平均寿命
愛犬をお迎えするにあたっては、平均寿命も把握しておきたいポイントです。ラブラドールレトリバーの平均寿命は10〜12歳。大型犬の中では平均的な寿命ですが、犬全体で見ると短命の部類にはいります。
特に、毛色がチョコレートの子はさらに短命の傾向があるといわれています。日頃から健康管理に気をつけて、少しでも長く一緒にすごせるように育ててあげましょう。
ラブラドールレトリバーの飼い方のコツ・注意点
「賢くて飼いやすい」と人気のラブラドールレトリバーですが、どんな犬種であってもしつけやお世話は必要です。ブラドールレトリバーの性格や性質に合わせたお世話のコツ、注意点を把握しておくとで、よりスムーズにコミュニケーションが取れるでしょう。ここでは、ラブラドールレトリバーの飼い方のコツと注意点について詳しく解説していきます。
行動をコントロールできるようにしつける
愛犬の行動をしっかりコントロールできるように、子犬のうちからしつけを徹底しましょう。ラブラドールレトリバーは優しくて穏やかな性格の子が多いため、攻撃性をもってほかの人間や動物を威嚇することはあまりありません。
しかし、体が大きいため力が強く、つい嬉しくなって飛びついたり、散歩中に急に引っ張ったりすると思わぬケガにつながる恐れがあります。子犬のころは特にやんちゃで好奇心が旺盛なため、事故を防ぐためにもしっかりとトレーニングをおこないましょう。
知的好奇心を満たす遊びを取り入れる
知能が高いラブラドールレトリバーは、ただ体を動かすだけでなく、知的好奇心を満たすような遊びを取り入れてあげると喜びます。犬種名のレトリバーには「回収する」という意味があり、もともと鳥猟犬であったことから何かを持ってくることが得意です。「持って来い」遊びやボール遊びの延長で新聞を持ってくるなど、飼い主さんのお手伝いができるようになる子もいます。
1日2回、各30分以上の散歩
ラブラドールレトリバーは活動量が多くてスタミナも抜群。運動不足にならないように、1日2回、それぞれ30分以上を目安に散歩に連れて行ってあげましょう。
ドッグランなどの広々とした場所で、フリスビーやボールを使いながら思い切り運動させてあげるのもおすすめです。水を怖がらない犬種なので、川や海辺などで一緒に遊ぶこともできますよ。
こまめなブラッシングと、定期的なシャンプーを
短毛種のラブラドールレトリバーは毛玉ができる心配はありませんが、ダブルコートのため換毛期にはたくさんの毛が抜けます。こまめにブラッシングをして、余分な毛を取り除いてあげましょう。
柔らかい感触のラバーブラシを使うと、皮膚を傷めにくくマッサージ効果にも期待できます。皮脂が多い犬種なので、月に1回を目安にシャンプーをしてあげることで皮膚の清潔を保てます。
体型に合った食べやすいフードボウルを用意する
ラブラドールレトリバーは、体形の特徴から胃捻転のリスクが高い犬種です。無理な体勢での食事や早食い、一気食いを続けていると胃捻転のリスクが上がります。
高さを調整できるスタンド付きのフードボウルを用意するなど、体型に合った食器や食事環境を整えてあげましょう。どうしても一気食いをしてしまう子には、あえて食べにくくなるように設計された早食い防止ボウルがおすすめです。
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ラブラドールレトリバーのかかりやすい病気・ケガ
愛犬の健康管理は飼い主さんの重要な役目です。犬種によって体のつくりや体質は異なるため、あらかじめ注意すべき病気などは把握しておきましょう。ここでは、ラブラドールレトリバーのかかりやすい病気やケガについて解説していきます。
股関節形成不全
股関節の先天的な異常や変形が原因で発症する病気です。大型犬に多くみられる病気で、遺伝的要因で起こる場合もありますが、肥満や運動不足が原因となることもあります。
初期の段階では腰を振るように歩いたり横座りをしたりするようになり、重症化すると立つことも難しくなります。なるべく関節に負担がかからないよう体重管理を徹底し、床には滑りにくいカーペット敷くなどの工夫をしましょう。
胃拡張・胃捻転
胃拡張とは、胃の中に食べ物や飲み物、ガスが一気に溜まることで胃が膨張してしまう症状をいいます。また、胃捻転は胃拡張などが起因となり、胃が捻れてしまう病気です。大型犬など胸の深い体形の犬種に多く、処置が遅れると命の危険もある病気です。
以下のような症状がみられたら、早急に動物病院に相談しましょう。
- 大量のよだれ
- 吐こうとしているが吐けない
- 呼吸が乱れる
一気食いや早食い、食後の過度な運動が原因になることが多い病気です。愛犬の食事環境や食生活を整え、胃拡張や胃捻転を引き起こさないよう注意しましょう。
肺動脈弁狭窄
心臓から肺へ血液を送る動脈弁が、先天的に狭くなっている心臓の病気です。無症状の子が多いですが、狭窄病変の状態によっては疲れやすい、動きたがらないなどの症状がみられます。
重度の狭窄病変がある場合は、失神を起こしたり肺水腫を引き起こしたりすることもあります。無症状のまま寿命まで生きる子もいますが、気がつかないうちに重症化している恐れもあるため、定期的に健康診断を受けて心雑音がないか確認してもらいましょう。
外耳炎
外耳炎は、耳の中で細菌や寄生虫が繁殖して痒みや炎症が生じる病気です。特に垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすく、外耳炎を発症しやすい傾向があります。
以下のような症状がみられる場合は外耳炎が疑われます。
- 耳をかく
- 頭を強く振る
- 耳からイヤな匂いがする
- 耳垢が増える
定期的に耳のお手入れをして、外耳炎の症状が現れていないかを確認するようにしましょう。
ラブラドールレトリバーにおすすめのドッグフード3選
愛犬の健康を保つためには、体質や健康状態に合ったドッグフード選びが欠かせません。ラブラドールレトリバーには、動物性タンパク質をしっかりと摂取できて関節の健康に配慮されたフードがおすすめです。
食欲旺盛なので、肥満防止につながる低カロリーのフードを選んであげるとよいでしょう。ここでは、ラブラドールレトリバーにおすすめのドッグフードを3つ紹介します。
ナチュラルハーベスト/ベーシックフォーミュラ メンテナンススモール ラム
ラム肉を主原料とした低アレルギーのドッグフードで、使用するラム肉は食肉管理が厳しいニュージーランド産のものを厳選しています。低脂肪・低カロリーのフードなので、肥満気味の愛犬にも安心して与えられます。関節の健康をサポートするグルコサミンとコンドロイチンが配合されているのも、嬉しいポイントのひとつです。
内容量 | 1.59kg |
価格 | 税込3,740円 |
粒の大きさ | 直径約1cm |
対象年齢 | 成犬・シニア犬 |
公式サイト:https://webvif.com/shopdetail/000000000072/
アカナ/アダルトラージブリードレシピ
画像引用:アカナ・オリジン
新鮮な鶏肉・七面鳥・ニシンなどを主原料としたドッグフード。穀物、じゃがいも不使用のレシピを採用しており、アレルギーにも配慮されています。穀物の代わりに低GI食品である豆類を使用しているので、血糖値の上昇を抑えてくれます。
内容量 | 11.4kg |
価格 | 23,000円(税込25,300円) |
粒の大きさ | 直径約1.5cm |
対象年齢 | 成犬用 |
公式サイト:https://acana.net/products/adult-large-breed-recipe
レティシアン/ネルソンズドッグフード
画像引用:株式会社レティシアン
中型犬・大型犬の飼い主さんから評判が良く、多くの獣医師が推奨する高品質なドッグフードです。グレインフリーで、胃腸がデリケートな大型犬にも優しいレシピを採用しています。
原材料に使用されているチキン生肉やバナーナッツスカッシュは、人間でも食べられるレベルの高品質なものを使用しています。大きめの粒なので、お口の大きい大型犬にもしっかり食べ応えがあります。
内容量 | 5kg |
価格 | 8,360円(税込9,196円) |
粒の大きさ | 1辺約1cm(三角形) |
対象年齢 | 全年齢 |
公式サイト: https://laetitien.co.jp/products/dogfood/nelsonsdogfood/
ラブラドールレトリバーについてよくある質問
ここまで記事をご覧いただいて、ラブラドールレトリバーについてもっと知りたいと思われた方も多いのではないでしょうか。最後に、ラブラドールレトリバーについてよくある質問に回答していきます。
ラブラドールレトリバーを飼うのに向いている人は?
ラブラドールレトリバーはスタミナがたっぷりのタフな犬種です。ストレスを溜めさせないためにも、毎日十分な散歩や運動が必要となります。
そのため、散歩や運動をする時間と体力に余裕がある人に向いているといえます。愛犬とのコミュニケーションの時間を楽しめる人におすすめの犬種です。
より長生きしてもらうには?
ラブラドールレトリバーは、犬全体のなかではやや短命です。少しでも長生きしてもらうためには、毎日必ず運動をさせて、食事管理も徹底しておこないましょう。
また、犬は加齢に伴って歯周病を発症しやすく、放置すると口腔内だけでなく全身の健康へ影響を及ぼす恐れがあります。デンタルケアを徹底することはあらゆる病気の予防に役立つため、子犬のころから歯磨きの習慣をつけましょう。
一緒に暮らすパートナーに最適!ラブラドールレトリバーとの生活を楽しもう
穏やかで優しい性格と賢い頭脳をもつラブラドールレトリバー。飼い主さんともしっかりとコミュニケーションができるので、一緒に暮らせば最高のパートナーになってくれることでしょう。この記事を参考に、ぜひ愛犬と一緒に過ごす日々を楽しんでくださいね。