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犬がうんちを食べる(糞食)原因とは?対応策・注意点を解説

#しつけ

犬がうんちを食べる(糞食)原因とは?対応策・注意点を解説

愛犬がうんちを食べているのを見て、驚いた経験はありませんか?「うちの子、変なのかも……」と思いながらも、どうしたらいいか分からず悩みを抱えている人も多いことでしょう。

犬がうんちを食べてしまう「食糞症」は、実は愛犬家にとってよくある悩みのひとつなのです。
そこで今回は、食糞症の原因や対処法について解説します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

愛犬がうんちを食べている?!うんちを食べる「食糞症」とは?

愛犬がうんちを食べている?!うんちを食べる「食糞症」とは?

「食糞症」とは、名前のとおり、うんちを食べてしまう行動のこと。うんちを食べるなんて人間からすると考えられませんが、実は犬にとっては特に珍しいことではありません。

特に子犬の時期にはよく見られる行動であり、成長とともに自然となくなることがほとんどです。
驚いてしまうかもしれませんが、異常な行動ではないため安心してくださいね。

犬の本能的な行動ともいえる

食糞症は犬の本能的行動のひとつであり、自分のうんちを食べても健康上大きな問題はないといわれています。本来、野生の犬は仲間とともに巣穴で暮らしており、外敵に居場所を悟られないためにも、排泄は寝床から離れた場所で行っていました。しかし、ケガや病気などなんらかの理由で巣穴で排泄をした際、敵に見つからないように排泄物を食べて痕跡を消していたといわれています。

また、出産したばかりの母犬は、子犬のお尻を舐めてうんちを食べることで清潔を保ち、お世話をしています。こういった習性から、犬にとってうんちを食べるのはおかしいことではなく、ごく自然なことだと考えられるでしょう。

犬がうんちを食べる原因とは?

犬がうんちを食べる原因とは?

犬にとって食糞は本能的行動のひとつであるとはいえ、「どうして、うんちなんか食べるんだろう」と思ってしまいますよね。ここでは、犬がうんちを食べる原因について解説します。愛犬の食糞に悩んでいる人は、当てはまることがないかチェックしてみてくださいね。

食事の量や栄養が足りていない

単純に食事の量が足りておらず、空腹が原因でうんちを食べていることが考えられます。ドッグフードの量は足りていても、十分な栄養がとれていないために、うんちを食べて栄養を補おうとしている可能性も。ダイエット中でドッグフードの量を制限したり食事の回数を減らしたりしていると、うんちを食べてしまう子は多いです。

健康を管理するうえで食事のコントロールは重要ですが、適切なカロリー・栄養素を摂取できるよう注意しましょう。薬を服用している場合は、副作用により食欲旺盛になって食糞を引き起こしているケースもあります。

寄生虫感染や病気による消化不良

寄生虫の感染や病気が原因で消化不良を引き起こしていると、栄養を十分に吸収できておらず、常に栄養不足になっている可能性があります。特に子犬は体が小さく、消化器官も未発達であるためドッグフードを上手く消化できません。

栄養を補うためにうんちを食べることもありますが、消化されなかった食べ物がそのまま出てきていい匂いがするために、うんちに興味を持つことも。食事制限をしているわけでもないのにうんちを食べる、しっかりドッグフードを食べているはずなのに痩せているなどの様子があれば、消化不良を疑いましょう。

うんちに白い糸状の混入物が見られる場合は寄生虫に感染している可能性が高いです。目で見て異常を感じられなかったとしても、寄生虫の卵などが混ざっていることもあります。これまで食糞をしなかった犬が急にうんちを食べはじめた際には、動物病院に相談してみてくださいね。

子犬の場合は好奇心から

子犬の時期はものごとの分別がつかず、あらゆるものに興味を示します。おもちゃで遊ぶのと同じ感覚でうんちを転がしたり触ったりしているうちに、「どんなものなのか?」と確認するために口に入れてしまうことは多いです。決して珍しい行動ではなく成長とともに自然とおさまることがほとんどなので、過剰に心配する必要はありません。

飼い主さんの気を引きたい

飼い主さんが見ているところでうんちを食べる様子があれば、飼い主さんに構ってほしい気持ちの現われかもしれません。愛犬がうんちを食べていると「ダメダメ!」と、つい慌てて声をかけてしまいますよね。

そんな飼い主さんの様子を見て、「喜んでくれている」と愛犬が勘違いしてしまいます。飼い主さんが急いで片付けをしている際は、うんちの取り合いを楽しんでいる可能性も。

退屈しのぎ

お留守番など飼い主さんがいないときに、うんちを食べる子もいます。この場合は、暇つぶし・退屈しのぎのためにうんちを口にしている可能性が高いです。

長時間に及ぶお留守番の際、ケージの中など限られた空間で過ごすことは、犬にとって非常に退屈なもの。飼い主さんが帰宅した際、うんちがあたりに散らばっているようであれば、おもちゃ代わりにして遊んでいたと考えられます。

寝床をきれいにしたい

犬は、きれい好きな動物です。排泄後にうんちがそのまま残っているのが気になり、自分で片付けようとして食べてしまうことがあります。特に寝床とトイレの距離が近いことを嫌がる犬は多いので、ケージの中のレイアウトを見直してみるのがよいでしょう。

うんちを隠そうとしている

過去に愛犬がトイレを失敗してしまった際、つい強く叱ってしまったことはありませんか?粗相をして叱られた経験があると、「うんちをしてはいけない」と覚えてしまいます。その結果「うんちを見られると怒られる」と考え、隠すためにうんちを食べてしまうのです。食糞には至らなかったとしても、排泄をガマンしてしまうことがあるので、粗相を叱るのはおすすめできません。

愛犬がうんちを食べてしまう際の対処法

愛犬がうんちを食べてしまう際の対処法

健康に大きな影響はないとはいえ、愛犬がうんちを食べる姿を見ていて、いい気分はしないもの。「どうすればやめてくれるんだろう」と頭を悩ませている飼い主さんも多いことでしょう。ここでは、愛犬がうんちを食べてしまう際の対処法を紹介します。

食事を見直す

食事の量やドッグフードの種類は、愛犬にとって適切でしょうか?いま一度、日々の食事を見直してみましょう。

適切なドッグフードの量や食事の回数は、愛犬の年齢や体重によって異なります。空腹を感じやすい犬の場合は、1回の食事量を少なくする代わりに食事の回数を増やすことで、カロリーコントロールをしながら空腹の時間を短くすることができます。

また、ドッグフードの種類を変えることも有効な手段です。フードに使用されている原材料に注目してみてください。

犬は肉食に近い雑食動物であり、穀物の消化が苦手です。穀物の割合が多いと消化不良を引き起こしやすく、うんちにドッグフードの匂いが残り、食糞に繋がる可能性があります。

ドッグフードを切り替える際、急に新しいフードになると食べてくれなかったり、お腹を壊してしまったりします。今までのフードに新しいフードを混ぜながら、少しずつ切り替えていってくださいね。

排泄後はすぐに片付ける

愛犬がうんちをしたら、すぐに片付けましょう。食べてしまう前に片付けるのがなによりの対策となります。

その際、なるべく愛犬に見つからないようにこっそりと片付けるのがポイントです。うんちを食べるクセがついている場合、「飼い主さんにうんちを取られる!」と余計に執着することがあります。

飼い主さんが片付ける様子を見て、自分も真似して片付けようとし、うんちを食べてしまうことも。排泄後はおもちゃなどで気を逸らし、愛犬が見ていない隙にうんちを片付けるのがおすすめです。

しかし、お留守番中の食糞など、どうしても片付けが間に合わないこともありますよね。そんなときは食事や散歩の時間をずらし、なるべくお留守番中にうんちをしたくならないように調整してみましょう。

ひとりでも遊べる工夫をする

お留守番中にうんちを食べてしまう場合は、ひとりでも退屈せずに遊べる環境を整えてあげましょう。お気に入りのぬいぐるみやボールなどもいいですが、おすすめ知育トイです。

おやつを仕込んでおくことで、中身を取り出そうと頭を使って長時間遊ぶことができます。遊びに没頭していれば、うんちに興味を持つリスクも軽減できるでしょう。おもちゃを選ぶ際は、誤飲・誤食が起きにくいものを選んであげてくださいね。

ストレスを発散させる

ストレスによって消化不良を引き起こし、うんちにドッグフード匂いが残っていることで、食糞に繋がっている可能性もあります。なるべくストレスを溜めないよう、運動不足・コミュニケーション不足には日頃から気をつけましょう。一緒に遊ぶ時間や散歩の時間を増やすだけで、食糞が収まる子もいます。

食糞症のほかにも、ストレスはあらゆる問題行動の原因に。たまに違うルートで散歩をしたり、ドッグランなどで思い切り走らせてあげるとよいストレス発散になりますよ。

うんちは美味しくないことを教える

「うんちは美味しいものではない」と愛犬に覚えさせることも、ひとつの方法です。食糞対策グッズとして苦い味をつけるスプレーが販売されているので、うんちに振りかけてみましょう。

お腹が空いていると、多少美味しくない味がしてもうんちを食べてしまうことがあるので、空腹対策などもしっかり行ったうえで、グッズの使用も並行するのがおすすめです。しかし、長期間にわたって使い続けると苦い味に慣れてしまって、またうんちを食べてしまう子もいます。

スプレーなどのグッズは一時的な対策には有効なものの、根本的解決には繋がらない事が多いです。ほかの対処方法も行ったうえで、補助として使用するのがよいでしょう。

改善しない場合は獣医師へ相談を

あらゆる対処法を試しても、愛犬がなかなか食糞をやめてくれないこともあります。そんなときは飼い主さんひとりで悩まず、獣医師へ相談してみてください。

考えられる原因を取り除いてもうんちを食べ続けたり、しっかり適切な量のドッグフードを食べているのに痩せていたりすると、なにか病気が潜んでいる可能性も考えられます。どのような病気であっても、早期発見・早期治療はとても重要です。動物病院を受診し、検査を受けてみてくださいね。

愛犬がうんちを食べてしまう際の注意点

愛犬がうんちを食べてしまう際の注意点

ここまでに、食糞は犬の本能的な行動であり特に異常性はないと解説しました。かといって、なにも気にしなくてよいというわけではなく、いくつか注意点もあります。愛犬がうんちを食べてしまう際の注意点を解説するので、ぜひ目を通してみてくださいね。

叱ったり大げさに反応するのはNG

愛犬がうんちを食べているのを見つけた際、「あーっ!」「こら!」など、大きな声を出したり叱ったりしていませんか?先述のとおり、飼い主さんが大げさに反応することで、愛犬は「喜んでくれている」「遊んでくれている」と勘違いしてしまうことがあります。

また、キツく叱るとうんちそのものを悪いもの・ダメなことと認識し、排泄をガマンしたり隠れてうんちを食べるようになる可能性も。驚いてしまうかもしれませんが、叱ったり騒いだりせず落ち着いて対処してくださいね。

ほかの犬のうんちを食べるのは危険

愛犬が、よその犬やほかの動物のうんちを食べてしまうのは非常に危険です。外に落ちているうんちには、どのような寄生虫・ウィルスが混入しているか分かりません。

愛犬が口にすることによって、寄生虫やウィルスに感染する可能性があるので、散歩中の拾い食いには十分に注意しましょう。万が一落ちているうんちを食べてしまった際には、早めに動物病院に相談してください。

犬の食糞症にまつわるQ&A

犬の食糞症にまつわるQ&A

「うんちを食べていても平気なんだろうか……」「まだ子犬だけど、今からやめさせたほうがいい?」愛犬がうんちを口にしていると、さまざまな疑問や不安な気持ちが湧いてきますよね。

ここでは、犬の食糞症にまつわるよくある質問に回答します。ぜひ参考にしていただき、今後の対策に役立ててみてください。

うんちを食べると、愛犬の健康に悪影響はあるの?

愛犬が自分のうんちを食べてしまっても、基本的に健康への大きな悪影響はありません。しかし、愛犬が寄生虫に感染している場合は注意が必要です。

駆虫薬を投与しても、寄生虫が含まれたうんちを食べてしまうと、再度寄生虫に感染してしまいます。また、犬のうんちは酸が強く、寄生虫感染のないうんちであったとしても長期間食べ続けることで、胃腸炎を引き起こすことがあります。

子犬の食糞は、やめさせるべき?

子犬の時期の食糞は自然なことであり、成長とともになくなるケースが多いです。しかし、中には習慣としてうんちを食べるクセが残ってしまう子も。

子犬に比べて成犬のほうがしつけが入りにくいのと同じように、成長後に習慣を改善させるのは簡単なことではありません。1歳くらいまでを目処に、食糞をやめさせるのが理想です。

食糞をしやすい犬種はあるの?

「うんちを食べやすい犬種」というのは特にありませんが、食欲が旺盛な子は食糞をしやすい傾向があります。食いしん坊が多い犬種の一例は、以下のとおりです。

  • ビーグル
  • パグ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ラブラドール・レトリーバー

食欲旺盛かつ好奇心が強い子は、うんちに興味を持ってしまうおそれがあるので注意しましょう。

愛犬の食糞症は、焦らずに落ち着いて対応しよう

愛犬の食糞症は、焦らずに落ち着いて対応しよう

私たち人間からすると、なかなか理解し難いうんちを食べる行為。改善には時間がかかり、飼い主さんの根気も必要となります。衛生的にも、飼い主さんの気持ち的にもよいこととはいえず、一刻も早くやめてほしいと感じて焦ってしまいますが、落ち着いて少しずつ改善を目指していきましょう。

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