ゴールデンレトリバーの性格とは?特徴や飼い方など徹底解説
#犬種図鑑
黄金に輝く美しい被毛に、柔らかい表情が印象的なゴールデンレトリバー。日本でも海外でも人気があり、街中などでもよく見かける犬種です。「大型犬といったらゴールデンレトリバー」のイメージを持っている人も多いかもしれませんね。
今回は、そんなゴールデンレトリバーについて徹底解説。性格や特徴・飼い方のコツなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ゴールデンレトリバーってどんな犬?
ゴールデンレトリバーといえば、ニコニコと笑ったような穏やかな表情が魅力の大型犬。流れるような、黄金の美しい被毛の持ち主です。表情だけでなく性格も温厚で優しい子が多く、フレンドリーでほかの動物や人間の子どもとも仲良くできます。
非常に賢く身体能力も高いため、かつては鳥猟ハンターのサポートをする狩猟犬として活躍していました。現在は、穏やかな性格と聡明さを活かし、盲導犬・聴導犬などの介助犬として活躍することも多いです。
ゴールデンレトリバーの身体的特徴
人気犬種のひとつであり、街中などでも見かける機会の多いゴールデンレトリバー。見た目の想像はつきますが、一緒に暮らした経験のない人にとっては「実際はどのくらい大きいの?」など、具体的なイメージがもてない人も多いかもしれません。ここでは、ゴールデンレトリバーの身体的な特徴について解説します。
体の大きさ
ゴールデンレトリバーは、筋肉質でたくましい体つきの大型犬。成犬になるにつれて、以下のサイズを目安に成長します。
男の子 | 女の子 | |
体高 | 56〜61cm | 51~56cm |
体重 | 29~36kg | 24~32kg |
体高よりも体長がやや長く、バランスのとれたスタイルです。大きな垂れ耳を持ち、口も幅が広く大きめなのが特徴。獲物として捕らえた鳥を傷つけないように柔らかく咥える「ソフトマウス」の持ち主でもあります。
被毛の特徴
犬種名に「ゴールデン」とあるとおり、毛色はゴールドまたはクリームのみ。レッドやマホガニーは許容されておらず、胸元に入るわずかなホワイトのみ認められています。毛質は、ダブルコートの長毛種。
もともと水辺で活躍する狩猟犬であったルーツから、水をよく弾きます。ウェーブのかかった被毛はとても魅力的で、前足や胸元・尻尾にゴージャスな飾り毛が生えているのも特徴です。名前や容姿が似ていることから「ラブラドールレトリバーの長毛版」と思われがちですが、この2種の成り立ちは異なり、別の犬種です。
イングリッシュタイプ・アメリカンタイプで特徴がやや異なる
ゴールデンレトリバーには、アメリカンタイプ・イングリッシュタイプの2種が存在するのをご存知でしたか?それぞれの違いを、以下の表にまとめました。
アメリカンタイプ | イングリッシュタイプ | |
体型 | スレンダー | 筋肉質・やや小柄 |
毛質 | 茶色や黄色が強い子が多い | 薄めの毛色が多い |
適正 | 盲導犬・聴導犬 | 水難救助犬 |
その他 | 茶色っぽい鼻を持つ | 耳の位置が低め |
日本で見かけるゴールデンレトリバーは、アメリカンタイプが多いといわれています。
ゴールデンレトリバーはどんな性格?
人間に寄り添ってくれる優しい犬、ゴールデンレトリバー。「しつけがしやすい」「飼いやすい」と人気ですが、犬種としての性格・性質を知っておくことで、さらに良好な関係を築くことができるでしょう。ここでは、ゴールデンレトリバーの性格について詳しく紹介します。
温厚で社交的
ゴールデンレトリバーは、社交的で温厚な子が多いです。フレンドリーな性格で、家族はもちろんほかの動物や子どもとも良好な関係を築けます。精神的にも安定しており、怒ったり人を警戒したりすることも少ないので、しっかり信頼関係を築いていけば最高のパートナーになってくれるでしょう。
聡明で理解力がある
ゴールデンレトリバーは聡明で理解力があり、盲導犬や介助犬として活躍している子も非常に多いです。狩猟犬として古くから人間と一緒に暮らしてきたため、飼い主さんとのコミュニケーションを大切にします。
そのため「しつけがしやすい犬」としても人気です。飼い主さんを喜ばせようと、人の言葉をよく理解して行動するため、トレーニングをすれば新聞を持ってくるなどのお手伝いもしてくれますよ。
陽気で好奇心旺盛
ゴールデンレトリバーは基本的に明るく陽気で、好奇心旺盛。ほかの犬種に比べると精神的に幼い面があり、成犬になってからも子犬のようにはしゃいだり、イタズラをしたりすることもあります。
好奇心の強さから、気になったものをなんでも口に入れてしまう子もいるため注意が必要です。落ち着きが出てくるまでに3年程度かかることが多いので、ゴールデンレトリバーの飼い主さんには根気と忍耐力が必要だといえるでしょう。
ゴールデンレトリバーの平均寿命と注意すべき病気
大切な家族である愛犬には、いつまでも長生きしてほしいもの。平均寿命は、気になるポイントですよね。
ゴールデンレトリバーの平均寿命は10〜12歳。大型犬は全犬種の中でも短命であり、7歳を過ぎるとシニア期に突入します。
加齢とともに体のあらゆる部分に不調が出はじめるので、注意が必要です。若い頃からの健康管理がシニア期の健康にも影響するため、ゴールデンレトリバーがかかりやすい病気などは、あらかじめ把握しておきましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は、大型犬に多くみられる疾患です。股関節を形成する骨が十分に発達せず、うまく噛み合わないために痛みや歩行障害などの症状が現れます。以下のような症状が見受けられたら、動物病院で検査を受けましょう。
- 腰を振るように歩く
- 足を引きずっている
- 歩きたがらない
- 横座りをする
普段から足腰に負担がかかりにくいようにすることが、病状の悪化防止につながります。
胃拡張・胃捻転
胃拡張・胃捻転もまた、ゴールデンレトリバーをはじめとする大型犬に多い病気です。食事の早食い・一気食いによって、たくさんの空気を飲み込んでしまい発症することが多いです。
また、食べたあとすぐに激しい運動をおこなうことで、胃拡張・胃捻転を引き起こすことも。以下のような症状が出ていたら、要注意です。
- ぐったりとする
- 吐こうとしているのに吐けない
- 大量のよだれが出る
- 呼吸困難
放置しているとショック症状を起こしたり、そのまま命を落としたりする可能性もある恐ろしい病気です。ドッグフードの与え方や、食後の運動には十分に注意しましょう。
外耳炎
外耳炎とは、耳の入口から鼓膜にかけての「外耳」と呼ばれる部分に炎症が起きる病気です。ゴールデンレトリバーのような垂れ耳の犬は、耳の中が蒸れやすく、外耳炎のリスクが高いです。以下のような様子がみられたら、外耳炎を疑いましょう。
- 耳を引っ掻く
- 頭を強く振る
- 耳からニオイがする
- 耳だれが出ている
外耳炎を発症した際には、動物病院で耳洗浄をおこないます。普段からペット用のウェットシートや濡れたガーゼなどで耳のお手入れをし、外耳炎の発症を予防しましょう。
悪性腫瘍
どのような犬種であっても加齢とともに腫瘍やガンのリスクは高くなるもの。なかでもゴールデンレトリバーは、骨肉腫や悪性リンパ腫などの腫瘍・ガンができやすい犬種だといわれています。特に内臓にできる血管肉腫の場合は、以下のような症状が現れます。
- お腹が腫れている
- 元気や食欲がない
- 呼吸が苦しそうにする
- 散歩中に突然倒れる
早めに治療を始めることができれば、予後も期待できます。定期的に健康診断を受けたり、普段から体調のチェックをこまめにおこなったりして、早期発見・早期治療に努めましょう。
ゴールデンレトリバーの歴史やルーツとは?
ゴールデンレトリバーは世界的に有名な犬種ですが、実は発祥の起源ははっきりとわかっていません。イギリス原産の犬種であることはほぼ確実で、1865年にイギリスの狩猟家・トゥイードマウス卿が飼育していたウェービー・コーテッド・レトリバーから生まれた黄色い被毛の犬がはじまりだという説があります。
当時のイギリスでは狩猟が盛んであり、「水辺でも陸上でも俊敏に動ける犬を作ろう」と、セターやウォーター・スパニエルと交配を進めました。こうして、現在のゴールデンレトリバーの土台ができあがったといわれています。長年鳥猟犬として活躍し、人と暮らしてきた長い歴史を持つ犬種のため、温厚で従順な性格の子が多いです。
当初イギリスのケネルクラブには「フラットコート・ゴールデン」という名称で登録されましたが、すでに同じ名前の犬種が登録されていたため、「ゴールデンレトリバー」または「イエローレトリバー」として区別。1920年には「ゴールデンレトリバー」として統一されました。
ゴールデンレトリバーと一緒に暮らすには?飼い方のコツ
穏やかでトレーニングにも喜んで取り組むゴールデンレトリバーは、家庭犬としてもぴったりな犬種。もともと飼いやすい犬種として人気がありますが、一緒に暮らすにあたってのポイントを把握しておくことで、よりよい関係を築いていけるでしょう。ここでは、ゴールデンレトリバーの飼い方のコツを解説します。
飛びつき・飛び出しを防げるよう、しつけを徹底
ゴールデンレトリバーは社交的で、ほかの動物や人間とコミュニケーションをとりたがります。加えてやんちゃで子どもっぽい一面があるため、嬉しくなるとつい人に飛びついてしまったり、衝動的に走り出したりすることも。
体の大きいゴールデンレトリバーは、穏やかな表情に反して力は強く、人に飛びつくとケガをさせてしまう可能性もあります。急に飛び出したり走り出したりすると、交通事故のリスクもあるでしょう。
「待て」「おすわり」など、飼い主さんの合図で落ち着かせて呼び戻しができるよう、子犬のうちからしつけを徹底しましょう。また、人の手や足にじゃれついて遊ぶクセがつかないように教えることも重要です。
イタズラや誤飲・誤食注意
ゴールデンレトリバーは体だけでなく口も大きいため、誤飲・誤食に注意が必要です。特に子犬のころは好奇心旺盛でやんちゃな子が多く、気になるものはなんでも口の中に入れて確認しようとします。ボールなどのおもちゃで遊んでいるうちに飲み込んでしまったり、タオルや毛布を噛みちぎって破片を飲み込んでしまったりするおそれもあります。
おもちゃを与える際には口の中に入らないサイズで、ちぎれたり壊れたりしにくい丈夫なものを選びましょう。イタズラをしないようしつけることも大切ですが、誤飲につながりそうなものは引き出しにしまうなど、そもそもイタズラをできない環境をつくることも重要です。
犬種の特性を活かして遊ぶ
犬種名に入っている「レトリバー」には「回収する」という意味があり、もともと鳥猟犬として獲物を回収していたゴールデンレトリバーは、ものを持ってくるのが得意です。そんなゴールデンレトリバーの習性や作業欲を活かした遊びを取り入れると、愛犬も喜んでくれることでしょう。
ボールやフリスビーを使って「持ってこい遊び」をしたり、タオルなどにおもちゃを隠して宝探しをさせたりすると、ゴールデンレトリバーの本能的欲求を満たせます。おやつを中に隠せる知育トイもおすすめですよ。上手にできたときには、たっぷり褒めてあげてくださいね。
1日2回、各30分以上の散歩を
ゴールデンレトリバーは活動量の多い犬種のため、運動の時間はしっかりと確保する必要があります。1日2回、それぞれ30分以上は散歩に連れていきましょう。
普段の散歩に加えて、ときにはドッグランなどで思い切り走れる機会をつくるのもおすすめです。飼い主さんと活動するのが大好きなので、キャンプやハイキングに連れていき、アウトドアレジャーを一緒に楽しむのもよいでしょう。
こまめなブラッシング・月1回のシャンプーが必要
ゴールデンレトリバーは被毛が長いことに加え毛量も多いため、被毛のお手入れが欠かせません。ダブルコートの被毛のため抜け毛が多く、特に換毛期には大量に毛が抜けます。
念入りにブラッシングをし、余分な毛を取り除いてあげましょう。毛が絡まったり毛玉ができたりしないように、優しく丁寧に毛をとかしてあげてください。
シャンプーは、月に1回を目安におこないましょう。余分な毛や皮脂を落とすことで、皮膚炎の予防にもつながります。シャンプーのあとはすすぎ残しのないように注意し、根本までしっかりと乾かしてあげてくださいね。
滑りにくい床材を選ぶ
ゴールデンレトリバーは股関節形成不全を発症しやすい犬種です。なるべく関節への負担を軽くできるよう、カーペットを敷いて床を滑りにくくしてあげるとよいでしょう。
また、体重が重くなりすぎると、体を支える足腰への負担が大きくなってしまいます。食事量のコントロールと体重管理をしっかりとおこない、適正体重をキープすることを心がけてくださいね。
早食い防止の工夫を行う
ゴールデンレトリバーをはじめとする大型犬は、胃拡張・胃捻転のリスクが高い犬種です。かつ、ゴールデンレトリバーは食欲旺盛な子が多く、早食い・一気食いをしてしまうことも。早食い・一気食いは胃捻転の原因となるため、注意が必要です。
空腹を感じにくいように、食事の回数を増やしてこまめにフードを与えるとよいでしょう。それでも一気に食いついてしまう場合は、突起のついた早食い防止用のフードボウルを使うのもおすすめです。
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https://lutie.jp/column/dog-food-bowl
ゴールデンレトリバーの価格相場とお迎え方法
ここまで、ゴールデンレトリバーの魅力をたっぷりとお伝えしました。「一緒に暮らしてみたい!」と考えたとき、気になるのはお迎えに必要な費用です。
ゴールデンレトリバーの生態価格相場は、40万円前後。しかし、血統によって金額にはかなりの幅があり、20万円など安価に設定されることもあれば、70万円ほどの高値で取引されることもあります。親犬がドッグショーのチャンピオン犬など、犬種のスタンダードに近ければ近いほど、その子犬にも高額な値段がつけられます。
お迎え場所は、ペットショップ・ブリーダー・里親制度などさまざま。メジャーな犬種であるため、出会えるチャンスは多いといえるでしょう。
ゴールデンレトリバーは、優しさとお茶目な一面を兼ね備えた人気犬
優しくおおらかな性格に加え、やんちゃだったりイタズラ好きだったりと、ちょっとお茶目な一面も兼ね備えたゴールデンレトリバー。人間としっかりとコミュニケーションがとれるので、一緒にいると楽しいこと間違いなしの犬種です。新しい家族の一員として、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?