シーズーの性格とは?特徴や飼い方など徹底解説
#犬種図鑑
大きな瞳とふわふわの被毛がかわいらしく、性格の温厚なシーズーはいつの時代でも人気ランキングの上位に入っている人気犬種。シーズーを多頭飼いするマニアも数多くいます。
今回は、シーズーの特徴や性格、歴史、一緒に暮らすときのポイントなど、シーズーに関することをいろいろな面から解説していきます。シーズーの飼い主さんやシーズーに興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
シーズーはどんな犬種?
シーズーはコンパニオンドッグ(人間の伴侶犬)、トイドッグ(小さい愛玩犬)と呼ばれるグループに属する犬種です。古くから人間と一緒に暮らし、愛されてきた歴史ある犬種でもあります。
シーズーの大きさ・外見
シーズーは成犬になると、体高27cm前後、体重4.5kg~8 kg前後の大きさになりますが、理想体重は4.5 kg~ 7.5 kgとされています。小型犬ながらがっしりとした体つき、柔らかく長い皮毛が特徴です。
また、スカル(頭蓋骨の長さ)よりマズル(鼻の長さ)が短い短頭種です。丸い顔立ちに大きな瞳、短い鼻とぬいぐるみのようなかわいらしさがあります。
シーズーの毛色
シーズーの毛色はバリエーション豊か。いずれの色もジャパンケネルクラブから認められています。主な毛色としては次のようなものがあります。
- ゴールド&ホワイト
- ブラック&ホワイト
- レッドゴールド
- オレンジゴールド
- マホガニーゴールド
- ハニーゴールド
3種以上の毛色を持つパーティ・カラーのシーズーは、おでこに白い線が入っていたり、しっぽの先端が白かったりする毛色がよいとされています。
シーズーの歴史
シーズーを英語でつづると「Shih Tzu」。中国語特有のつづりからもわかるとおり、中国から世界各国に広がった犬種ですが原産国はチベット。どのような歴史を経て世界に広がったのか探ってみましょう。
チベットから中国へ
シーズーの先祖はチベットの「ラサ・アプソ」がだと考えられています。「ラサ・アプソ」はチベットの都市ラサの僧院で大切に飼われていました。そのかわいらしい姿から、やがてチベットから皇帝への献上品として中国に渡りました。
そして、中国の宮廷で代々繁殖され誕生したのがシーズーです。中国王室で代々受け継がれ、清王朝の西太后が愛好したことでも有名です。
20世紀初頭ヨーロッパに渡る
1912年に中国は共和国となり、シーズーは欧米に渡りました。1934年、英国ケネルクラブにて「チベタンライオンドッグ」の名前で犬種登録され(その後シーズーに改称)、ひとつの犬種としてシーズーの歴史が始まりました。
そして、日本にはじめてシーズーが輸入されたのは1960年代。そのかわいらしい顔立ちから、多くの家庭で飼われるようになりました。
シーズーの名前の由来は?
中国ではシーズー(Shih Tzu)を、獅子(シーズー)に似た犬として「獅子狗」(シーズークゥ)と呼んでいました。獅子、つまりライオンは中国では神聖な動物とされています。このことからもシーズーが大切にされていたことがうかがえます。
シーズーの性格の特徴
古くから愛玩犬として飼われてきたシーズーは、人間と一緒に過ごすことが大好き。明るく柔和な性格で無駄吠えも少なく、長時間の散歩も必要ないので初めて犬を飼う方にも向いています。
穏やかでマイペースな性格
シーズーは明るく友好的で穏やかな性格をしています。驚いて興奮することも少なくマイペース。争いごとも好まず、その姿には天下泰平という言葉がぴったりです。
プライドが高く頑固な性格
もうひとつのシーズーの性格の特徴として、プライドが高く、独立心旺盛で頑固なことが挙げられます。そのため、1匹でのお留守番でもそつなくこなせる子が多いようです。また、散歩などでいつもと違うルートに行こうとすると断固として嫌がる子もいます。
シーズーのしつけのポイント
シーズーは賢く穏やかな性格ですが頑固な一面もあります。ここでは、シーズーのしつけのポイントについて解説していきますので、愛犬の個性や性格にあわせたしつけについて考えてみましょう。
褒めて育てる
シーズーにかぎらず、犬は褒めて育てましょう。プライドの高いシーズーには、厳しく叱ったり怒鳴ったりすることは厳禁です。指示どおりに出来たら「褒める」「おやつをあげる」を繰り返して、できることを少しずつ増やしていきましょう。
基本のコマンドを覚えさせる
コマンドは興奮したときや災害時の避難先などでも役立つので、必ず覚えさせておきましょう。また、コマンドの言葉は家族内で統一させて、ハンドサインでもできるようにするとよいでしょう。覚えておきたいコマンドには次のようなものがあります。
- イイコ、ヨシ
- マテ
- スワレ
- ダメ
- フセ
- オテ
- オカワリ
- オイデ
社会化訓練を行う
プライドが高く独立心旺盛なシーズーは、嫌なことをされたり知らない人に触られたりしたとき、まれに噛むことがあります。こういったことがないように、小さい頃から外の環境に慣れさせて社会化訓練に取り組みましょう。いろいろな場所や人、犬、音、物とふれあうことで、いつでもどこでも落ち着いて行動できるようになります。
シーズーの飼い方のコツ
愛玩犬であるシーズーは室内飼いが基本。暑さに弱く、皮膚トラブルが多いことには特に注意が必要です。
夏場の暑さ対策
短頭種は口腔内の構造上、口から熱を上手に逃すことができません。熱中症にかかりやすいという特徴があるため、夏場はエアコンで気温を25度前後に保つようにしてください。日光が直接あたるようであればカーテンも引いておきましょう。
お散歩のコツ
朝夕2回、それぞれ15分程度のお散歩が必要です。梅雨や夏の暑い時期は直射日光のあたらない時間がおすすめです。日没後の19時を過ぎていても、アスファルトが熱をもっていることがあるため注意してください。
食事のコツ
シーズーは肥満になりやすい犬種なので、ドッグフードの規定量は必ず守りましょう。同じようにおやつの上げすぎにも周囲してください。
また、食物アレルギーを持つ子も多くなってきているため、愛犬にどんなフードが合うのかをよく見極めましょう。フードの選び方については、後ほど詳しく説明します。
お手入れのポイント
シーズーはアンダーコートとトップコートの2種類の被毛をもつ「ダブルコート」の長毛種なので、被毛のお手入れは欠かせません。お手入れせずに放っておくと、毛が絡んで皮膚トラブルの原因になる恐れもあります。
ブラッシングは朝夕2回、難しければ1回は必ずおこないましょう。また、シャンプーは2週間に1度、トリミングも1か月に1度は必要です。ブラッシングに使うブラシはスリッカーがベストですが、扱いが難しいのでピンブラシでもOK。コームやスプレーなどもあればよりきれいになります。
また、トリミングはトリマーに頼むのがおすすめです。長毛種であるシーズーはいろいろなスタイルが楽しめることも魅力。ぜひ愛犬にぴったりのスタイルを見つけてください。
シーズーにおすすめのフードは?
シーズーに健康で長生きしてもらうためには、栄養が過不足なく含まれた総合栄養食(ドッグフード)がおすすめです。シーズーの皮膚や被毛のケア、かかりやすい病気などを考えたうえでフードをえらびましょう。ここでは、選び方のポイントやおすすめのフードをご紹介します。
フードを選ぶときのポイント
ドッグフードは、添加物が少なく高タンパク質・低カロリーのものを選びましょう。さらにシーズーは、皮膚・関節の保護のために、良質なタンパク質、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、乳酸菌のほか、ミネラルが含まれているものがおすすめです。食物アレルギーの子も多いので、穀物の含有量が多いものや添加物が含まれるものには注意が必要です。
購入の際はフードの包装に表示されている原材料をしっかりチェックしましょう。それではチェックするポイントをみていきましょう。
動物性タンパク質が多く含まれるものを選ぶ
主原料が動物性タンパク質のものを選びましょう。原材料名は含まれている割合の多いものから順に表示されています。
先頭に書かれているものが「鶏肉」であれば、「鶏肉」が最も多く含まれています。フードによっては「〇%」と割合が書いてあるものもあるので参考にしましょう。また、シーズーは食物アレルギーがある子が多く、場合によっては牛肉や鶏肉などにも注意が必要なことがあります。
原材料名がはっきりしたものを選ぶ
どこから仕入れたか分からない、どのような動物・肉を使っているのか分からないといった原材料は、「肉類副産物」「肉類」などと表示されていることがあります。肉類であればば「鶏胸肉」「牛レバー」、野菜類であれば「かぼちゃ」「キャベツ」など、原材料名がはっきり表示されているフードを選ぶようにしましょう。
穀物の含まれる量が少ないものを選ぶ
シーズーは小麦をはじめとした食物アレルギーが多くみられる犬種です。そのため、小麦やとうもろこし、米などには注意が必要です。こういった穀類を含まない「グレインフリー」のフードも増えています。
アレルギーがなくてもなるべく穀物の含有量が少ないものを選び、もし食物アレルギーを発症してしまったら「グレインフリー」のフードを選んでください。
添加物が少ないものを選ぶ
日本では「ペットフード安全法」(農林水産省・環境省)により、一定の量を超えて摂取すると害をおよぼす可能性のある添加物が定められています。該当する原材料が含まれているフードは含有量に注意しましょう。また、人工香料や着色料が含まれているフードもできるかぎり避けましょう。
ZIWI Peak「エアドライ・ドッグフード マッカロー&ラム」
https://lutie.jp/products/detail/305
ZIWIはニュージーランド産のこだわりの原材料でつくったフードを提供しているブランド。グレインフリーでタンパク質を多く含んでいるため、シーズーにもおすすめです。
「エアドライ・ドッグフード マッカロー&ラム」には、天然の丸ごとマッカロー(サバ)や新鮮なラム生肉などの動物性タンパク質が多く配合されています。ラム生肉にはビタミンB群や鉄分、アミノ酸、ミネラルが含まれており、シーズーの活発な活動量を支えてくれます。また、マッカローにはオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸源が豊富に含まれているので、皮膚のケアにも役立ちます。
454g:6,270円(税込)
ACANAドッグフード「アダルトスモールブリードレシピ」
https://lutie.jp/products/detail/266
ACANAは最高品質の原材料使用したフードを提供するカナダのブランドです。「アダルトスモールブリードレシピ」には、新鮮な鶏肉やカレイなどの動物性原材料が60%、フルーツや野菜、ハーブが40%とバランスよく配合されています。また、小型犬でも食べやすい小粒タイプになっています。
340g:1,628円(税込)
ACANA「ハイエストプロテイン ドッグフード パシフィカレシピ」
https://lutie.jp/products/detail/284
牛肉や鶏肉などの肉にアレルギー反応があらわれた場合は、魚を動物性タンパク源とするフードを取り入れてみましょう。「ハイエストプロテイン ドッグフード パシフィカレシピ」は、サバやニシン、メバルなどの魚でつくられた高タンパク質・低脂肪のフードです。青魚が配合されているので、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸も多く含み、皮膚や被毛のケアにも役立ちます。
2kg:8,580円(税込)
シーズーの寿命
シーズーの寿命は約13〜16歳。すべての犬の平均寿命14歳〜15歳とほぼ同じといえます。平
シーズーは10歳以降がシニアとされており、シニア期以降はさらに病気やケガへの注意が必要になります。
シーズーの価格相場
シーズーは人気も高く、ブリーダーやペットショップなどでよく販売されている犬種です。比較的お迎えしやすい犬種といえるでしょう。
価格の相場は20万~40万円前後
シーズーの子犬の価格相場は20万~40万円前後です。ペットショップでお迎えする場合、月齢がやや過ぎた子などはさらに安いケースがあるかもしれません。また、オスよりもメスのほうが価格はやや高い傾向があります。
シーズーがよくかかる病気・ケガ
シーズーは比較的、病気やケガの多い犬種です。ここではシーズーがかかりやすい病気やケガがについて解説していきます。愛犬に疑わしい症状がみられるようであれば、できるだけ早く動物病院で診断を受けてください。
目の病気・ケガ
目の大きなシーズーは目の病気やケガがとても多く、なかでも角膜炎や網膜剥離、緑内障、白内障がよくみられます。角膜炎は、外傷や逆さまつげなどで目を傷つけることで角膜に炎症が起こる病気です。
また、網膜剥離や眼圧の上がる緑内障は失明する可能性があるので特に注意が必要です。また、シニア期になると白内障にかかる子が増加します。
呼吸器系の病気
短頭種であるシーズーは、短頭種気道症候群とよばれる呼吸器系の病気にかかりやすい犬種です。短頭種気道症候群には以下のような症状があります。
- 外鼻孔狭窄 鼻の穴が小さく狭くなってしまう
- 軟口蓋過長 ノドの奥にある軟口蓋が長く厚くなってしまう
- 喉頭虚脱 息を吸うときに喉頭が気管側に入り込んでしまう
- 気管虚脱 空気の通り道である気管が途中で潰れてしまう
いずれの症状も呼吸を妨げ、呼吸困難を引き起こす原因となるので注意が必要です。
皮膚の病気
シーズーは遺伝子的に皮膚の病気が多い犬種です。気をつけたい皮膚の病気として代表的なものに、犬アトピー性皮膚炎とマラセチア皮膚炎があります。
犬アトピー性皮膚炎は全身に痒みをともなうアレルギー性の病気です。薬による炎症コントロールがおもな治療ですが、ブラッシングでアレルゲンを除去するなど、日常での対処も必要です。
また、マラセチア皮膚炎はカビの一種であるマラセチアが、かゆみや湿疹などを引き起こす起こす病気です。犬アトピー性皮膚炎と合併症を起こすこともあります。
熱中症
シーズーは短頭種で熱中症にかかりやすい犬種です。暑い季節に「呼吸が荒い」「ぐったりしている」「よだれが多い」などの症状がみられたら、すぐに体を冷やしてください。さらに嘔吐や下痢、痙攣、チアノーゼなどの症状があらわれた場合は、体を冷やしてあげながら一刻も早く動物病院を受診してください。
シーズーについてよくある質問
最後に、シーズーについてよくある質問に答えていきます。
Q1.うちの子は甘噛みが多く、たまに強く噛むこともあります。やめさせる方法は?
A1.シーズーは成犬になっても甘噛みをすることがあります。まずは噛んだときすぐに「ダメ」と教えることが大切です。また、どんなときに噛むのかを探ることも重要です。原因がわかったら同じ状況をつくらないようにし、噛む動作を減らしていきます。成犬でも根気強く教えることでやめさせることができます。
Q1.犬アトピー性皮膚炎で悩んでいます。治らないのでしょうか?
A1.シーズーは犬アトピー性皮膚炎が非常に多い犬種です。確かに完治は難しいのですが、薬やサプリメント、シャンプーなどのケアを組み合わせることで症状を改善させることが可能です。獣医さんやトリマーなど、プロのアドバイスも受けながら治療に取り組んでください。
Q1.元気なのに、フードをなかなか食べてくれません。
A1.フードを食べない原因としては、わがまま、フードが合わない(嫌い)、食事環境が悪いなどが考えられます。わがままで食べないときは、食事を出して30分以内に食べないようであればすぐ片付けるようにします。フードが合わないようであればフードの変更をしてみましょう。食事をする場所がうるさい、傾斜があるといった環境に原因がある場合は、改善することで食べるようになっていきます。
シーズーの性格を理解してよきパートナーになろう
古代から寺院や宮廷で大切にされてきたシーズーは、子どものいる家庭やシニアの家庭でも飼いやすい穏やかでやさしい性格をしています。一方で、被毛のお手入れや皮膚のケアなど、飼い主さんがしっかりとおこなわなければならないお世話もたくさんあります。この記事を参考に、シーズーの性格や特徴を理解して愛犬との幸せな時間を過ごしてください。