サモエドの性格とは？特徴や飼い方など徹底解説

真っ白なモフモフの毛、つぶらな瞳、笑っているような口角など、やさしい表情が魅力のサモエド。フレンドリーな性格で飼いやすい犬種です。

今回は、サモエドの性格や特徴、飼い方のポイントなどを詳しく解説します。サモエドの飼い主さんはもちろん、これからサモエドと暮らしてみたいと考えている方もぜひ参考にしてください。

サモエドってどんな犬？

雪のように真っ白なフワフワの毛並みが印象的なサモエドは、コンパニオンドッグ（人間の伴侶犬）、スレッジドッグ（そりを引く犬）と呼ばれるグループに属しています。ここでは、そんなサモエドの身体的な特徴について説明します。

サモエドの大きさ・外見の特徴

サモエドは成犬になると、女の子なら体高50～56cm/体重18～25kg、男の子なら体高54～60cm/体重25～32kgくらいになります。ジャパンケネルクラブでは中型犬に属していますが、体重・体高ともに大型犬とほぼ同じだといえます。

体高より体長がやや長く、骨太でたくましい体つきをしていているため、威厳があり自信に満ちた印象を受けます。

サモエドスマイルで人気者に

笑っているような愛らしい表情が特徴のサモエド。 その表情は「サモエドスマイル」と呼ばれ親しまれています。真っ白な毛並み、頭部の幅の広さ、ピンと立った耳、アーモンド形の黒い瞳、キュッと上がった口角と、かわいらしさいっぱいで世界中から愛されている犬種のひとつです。

ふわふわのダブルコート

サモエドはダブルコートの代表的な犬種です。ダブルコートとは、オーバーコートとアンダーコートの2層構造になっている被毛のことをいいます。

太くしっかりしたオーバーコートの下に短く柔らかいアンダーコートが密集して生えており、保温、保湿、防水などの役割を果たしています。サモエドのほかに、シベリアン・ハスキー、ジャーマンシェパード、秋田犬や柴犬などもダブルコートの犬種です。

また、毛色はピュアホワイト・クリーム・ホワイトビスケットの3種類がジャパンケネルクラブから認められています。

ピュアホワイト

サモエドといえば、多くの人が純白の犬を思い浮かべるでしょう。このような真っ白な毛色のことをピュアホワイトといい、サモエド愛好者のあいだでも人気の高い毛色です。

クリーム

クリームはその名の通り、ややクリーム色がかった毛色のことをいいます。やわらかな印象を受けるやさしい色合いです。ピュアホワイトの人気が高くなってきたことから、クリームのサモエドは徐々に少なくなってきました。

ホワイトビスケット

ピュアホワイトにビスケット（薄茶色の模様）がはいった毛色のサモエドをホワイトビスケットといいます。ビスケットは耳元や体によく現れます。

サモエドの平均寿命

サモエドの平均寿命は10～13歳です。遺伝性の疾患が少なく、比較的病気になりにくい犬種なので平均寿命より長く生きることもあります。長生きのためにも日頃から運動量や食事に気をつけ、定期的に検診を受けるようにしましょう。

サモエドの歴史

別名「シベリアン・スピッツ」とも呼ばれるサモエドは、古代からロシア・シベリアで人間と共に暮らしてきた犬の一種です。ここでは、氷点下40度になることもある極寒の地で、長いあいだ人間と暮らしてきたサモエドの歴史を追ってみましょう。

サモエドの名前の由来

サモエドは北極圏・ツンドラ地方に古くから存在していた土着犬です。その地域に住む遊牧民族「サモエド族」と暮らしていたことから、サモエドと呼ばれるようになりました。

サモエドは、狩猟のアシストやトナカイの牧畜、ソリ犬などの役割を果たしていました。寒い時期になると、人間はそのフワフワの体に寄り添って暖をとったといわれています。

他の地域と隔絶された生活を送っていたため、オオカミやほかの犬との交雑が行われずに純血性が保たれてきました。そのためサモエドは、原始に近い希少な犬種として知られています。

19世紀イギリスに渡る

1889年、イギリスの動物学者アーネスト・キルバーン・スコットは、サモエド族と生活を共にしたあと、サモエドの子犬を自国へ連れて帰りました。この犬たちがサモエドの起源といわれています。はじめは茶色いサモエドもいましたが、真っ白な毛並みがイギリス王室で愛されたことから白いサモエドが主流となっていきました。

1909年には初のスタンダードが誕生、1912年にイギリスケネルクラブに公式認定されました。またサモエドは、作業犬としての能力、耐寒性の高い毛並みなどから冒険家スコットの南極探検隊に選ばれ、1911年に達成された人類初の南極点到達に大きく貢献しました。

日本では昭和の頃、サモエドにジャーマンスピッツを交配した小型犬「日本スピッツ」が人気を集めていましたが、現在では温厚なサモエドの人気が高くなっています。

サモエドの性格の特徴

サモエドは人間と長いあいだ暮らしてきた歴史から、コンパニオンドッグ特有の穏やかで社交的な性格をもっています。ここでは、サモエドの性格の特徴を詳しくみていきましょう。

温和で愛情深く、人懐っこい性格

サモエドは温和で辛抱強く、人懐っこい性格で、人間と何かを一緒にすることが大好きです。「サモエド族」はサモエドと寝食を共にしていたといわれており、その名残かもしれません。

落ち着いていて家族のことが大好きなので、子どもと一緒に暮らす犬としても向いています。しかし、誰にでもフレンドリーな性格であるため番犬や護衛犬には不向きです。

独立心が強く、自己主張が強い一面も

もともとサモエドは原始の犬に近い犬種です。そのため独立心が旺盛で、好き嫌いがはっきりとしています。自己主張が強いことも性格の特徴のひとつです。お留守番もこなせますが、飼い主さんの指示に従わず、自分の意思を通そうとする一面もあります。

また、声の大きい犬種なので、アパートなど共同住宅での飼育は不向きです。

サモエドの飼い方

サモエドの性格や特徴がわかってきたところで、飼い方・しつけのコツなどについて解説していきます。

しつけのコツは？

サモエドは人の言うことをよく聞き、家族の気持ちを読み取ることも得意なので訓練性能の高い犬です。しかし、かわいく人懐っこいからと甘やかしていると、自己主張の強い性格がおもてに出てくることも。周りの人や犬と良好な関係を築くためにも、きちんとした服従訓練が必要です。

ポジティブリンフォースメントでしつけをする

サモエドのしつけには、ポジティブリンフォースメントという手法がおすすめです。これは、望ましい行動をしたときに誉めことばや報酬をあたえることで、その行動を強化して定着させる方法です。よくできたら褒めてあげたり、おやつをあげたりして、望ましい行動を学習させるようにしましょう。

サモエドのしつけにポジティブリンフォースメントを取り入れることで、飼い主さんとのコミュニ―ケーションもより良くなります。

遊びや散歩のときにトレーニングを取り入れる

サモエドは飼い主さんと一緒に遊ぶのが大好きな犬種。遊びや散歩の時間にトレーニングをおこなうと、楽しみながら覚えることができるので効果的です。

覚えておきたい基本のコマンド

サモエドと生活するうえで覚えておきたい基本のコマンドには、次のようなものがあります。繰り返して覚えさせることで日々のコントロールに役立ちます。

• イイコ、ヨシ
• マテ
• スワレ
• ダメ
• フセ
• オテ
• オカワリ
• オイデ

暑さ対策は必須

サモエドの被毛は寒い冬にはピッタリですが、日本の暑い夏には不向きです。夏場はエアコンを使って温度管理をおこない、できるだけ室内で過ごさせるようにしましょう。保冷剤もなども、うまく利用することで熱中症を防ぐことができます。

また、暑いからといってサマーカットなどの極端に短いスタイルにトリミングするのはNG。直射日光が直接皮膚に当たってしまうため、皮膚トラブルの原因となります。

お散歩は1日合計で1時間が目安

サモエドはかつてシベリアでそりを引いていた犬種であるため、活発で運動量が多く、スタミナもあります。目安としては朝晩30分ずつ、1日につき合計1時間以上のお散歩が必要です。また、暑い時期の散歩は、早朝や夕方以降のなど、直射日光を避けることのできる時間帯に行くようにしましょう。

遊びや走らせる時間も必要

サモエドは飼い主さんと一緒に遊ぶのが大好き。毎日10分程度、引っ張りっこやボール遊びなどの時間をつくってあげましょう。また、週末などにドッグランにつれていって、広い場所を好きなだけ走らせてあげるのもよいですね。

サモエドのお手入れのポイント

サモエドはトリミングこそ必要ありませんが、毎日のブラッシングなど被毛のお手入れが欠かせない犬種です。ダブルコートなので1年に２回の換毛期があり、サモエド愛好者のあいだでは「もう一匹サモエドが作れる」といわれるほど抜け毛が増えます。

ブラッシングを怠ると皮膚トラブルにつながるので、スリッカーとコームを使って抜け毛を取り除いてあげましょう。アンダーコートをしっかり取ってあげるだけで暑さ対策にもなります。また、シャンプー、爪切りなどは月1回が目安。難しいときにはペットサロンにお任せするのもひとつの方法です。

サモエドにおすすめのフードは？

サモエドに健康で長生きをしてもらうためには、栄養が過不足なく含まれた総合栄養食(ドッグフード)がおすすめです。遺伝子性疾患の少ない犬種ではありますが、大きな体の健康を維持するために気をつけておきたいポイントもあります。

フードを選ぶときのポイント

ドッグフードは、添加物が少なく高タンパク・低カロリーなものを選びましょう。サモエドには肉や魚が豊富に含まれ、小麦粉やそのほか添加物が少ないものをおすすめします。

フードになにが含まれているのか、包装に記載されている原材料をしっかりチェックしましょう。

動物性タンパク質が多く含まれているものを選ぶ

原材料名は、含まれている割合の多いものから順に記載するというルールがあります。先頭に書かれている材料が「牛肉」であれば、すべての原材料のなかで「牛肉」が最も多く含まれていることになります。フードによっては「〇％」と割合が書いてあるものもありますので、動物性たんぱく質が多いフードを選ぶ際の参考にしてください。

原材料名がはっきり表示されているものを選ぶ

どこから仕入れたか分からない、または処理加工の過程が分からない原材料は「肉類副産物」「肉類」などと表示されていることがあります。愛犬の健康のためにも「鶏肉」「牛肉」など、はっきりと原材料名が書かれているフードを選びましょう。

穀物の含まれる量が少ないものを選ぶ

小麦粉やとうもろこしなどの穀物は、体の痒み、抜け毛、フケなどのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。できるだけ含まれていないフードを選ぶことで、これらの健康トラブルを避けることができます。最近では穀物を含まない「グレインフリー」のフードも増えています。

添加物の含まれる量が少ないものを選ぶ

日本では「ペットフード安全法」（農林水産省・環境省）により、一定の量を超えて摂取すると害をおよぼす可能性のある添加物が定められています。もし、該当する原材料が含まれている場合は含有量に注意が必要です。

また、人工的な香料、着色料などが含まれているフードも避けたほうがよいでしょう。

ZIWI Peak 「エアドライ・ドッグフード マッカロー＆ラム」

https://lutie.jp/products/detail/305

天然の丸ごとマッカロー（サバ）や新鮮なラム生肉、生レバー、生キドニーをはじめとした内臓などをバランスよく配合したフードです。肉原材料96％以上しており、消化しやすく栄養の吸収もよいため、消化器官に負担がかかりません。本来肉食である犬のために作られており、サモエドの自然界における本来の食事にも近いためおすすめです。

450g：6,270円（税込）

Kia Ora「ドッグフード グラスフェッドビーフ＆サーモン」

https://lutie.jp/products/detail/108

このフードは犬が求める栄養をしっかり摂取できるよう、消化吸収に優れた肉を多く配合しています。良質の動物性たんぱくを多くふくんでいるため、サモエドのたくましい筋肉と骨格を守ってくれます。

穀物不使用で食物アレルギーへの配慮もされています。また、サーモンに含まれるオメガ3脂肪酸が、皮膚・被毛の健康維持をサポートしてくれます。

900g：3,366円（税込）

Orijen「ドッグフード オリジナル」

https://lutie.jp/products/detail/290

「ドッグフード オリジナル」は、放し飼いで育てた鶏、天然魚、平飼いの卵など、高品質な動物性原材料を使用しています。新鮮な食材を自社キッチンで丁寧に調理しているので、鮮度が良く栄養もたっぷり。肉、内臓、軟骨、骨を丸ごと使っているので、サモエドの関節ケアにも向いているフードです。

340g：1,958円（税込）

サモエドの価格相場

サモエドはもともとの数が少ないうえに人気も高いため、価格も高くなりがちです。さっそく国内での価格相場を見ていきましょう。

価格の相場は35万～110万円前後

サモエドの子犬の値段相場は約35万～110万円前後です。血統のよいサモエドには、100万円以上の価格がつくことも少なくありません。その理由としては、サモエドを扱うブリーダーが稀少なことに加え、サモエドの個体数自体も少ないことが挙げられます。

そのため、サモエドを家族として迎える場合はペットショップではなく、サモエド専門のブリーダーを利用するケースが多くなります。

サモエドがかかりやすい病気

サモエドには遺伝性の疾患が少なく、病気にもなりにくいといわれています。しかし「暑さに弱い」「大型犬で活動量が多い」といった理由から、気をつけたい病気がいくつかあります。

サモエドの飼い主さんやこれからお迎えを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

熱中症

シベリア出身で分厚い被毛を持つサモエドは、暑さが大の苦手で熱中症にかかりやすい犬種です。梅雨の時期から夏のあいだは、部屋の温度管理、散歩に出かける時間などに配慮が必要です。

皮膚病

こちらも分厚い被毛に由来する病気です。湿度の高い梅雨や夏になると、被毛のなかが蒸れて皮膚疾患が起こりやすくなります。

毎日のブラッシングの際に、皮膚の状態をしっかり確認してください。しつこく体を掻いたり、地面に体に擦りつけたりしているときは、皮膚病を発症している恐れがあります。

股関節形成不全

股関節形成不全は股関節に異常がおこる病気で、大型犬によくみられます。骨盤の骨と後ろ足の骨が正常に噛み合わなくなり、痛みが出たり、歩きにくくなったりとさまざまな症状が出ます。サモエドはお散歩や運動が大好きな犬種なので、出かけるのを嫌がるようになったら注意が必要です。

胃捻転

胃捻転はサモエドなど、中型犬や大型犬がかかりやすい病気です。食後の運動やストレス、ドカ食いなどが原因となり、胃がねじれることで発症します。ねじれた胃が周囲の血管を圧迫し、呼吸器障害や循環障害などを起こし、死を招くこともある病気です。

お腹が膨らむ、吐きそうなしぐさをする、呼吸が荒い、チアノーゼといった症状がみられたら、迷わずすぐに動物病院に連れて行きましょう。

サモエドについてよくあるQ＆A

ここでは、サモエドについてよくある質問にお答えしていきます。

Q1.夏の暑さ対策はどうしたらいいですか？

A1.サモエドは暑さ対策が欠かせない犬種です。エアコンは22〜24℃前後と低めに設定しましょう。部屋の中に直射日光が入るようであれば、窓にUVシートを貼ると効果的です。夏のお散歩は日が昇る前や日没後の涼しい時間帯に行くようにし、冷感グッズの活用もおすすめです。

Q2.フードを丸呑みして早食いしてしまいます。やめさせる方法は？

A2.サモエドは食欲旺盛で丸呑みや早食いをしがちです。しかし、こういった食べ方をしていると胃捻転を発症する恐れがあります。早食い防止用のフードボウルがペットショップなどで販売されていますので、試してみるとよいでしょう。

Q3.甘噛みが多く、ときどき強く噛まれてしまいます。どうしたらいいですか？

A3.サモエドだけでなく、犬はコミュニケーションのひとつとして甘噛みをすることがあります。しかし、強く噛む場合は修正する必要があります。ストレスが原因だと考えられる場合は、よく遊んだり、散歩に行ったりすることで解決することがあります。また、人の気を惹くための要求噛みの場合は、要求に応えずに無視（かまわない）することを繰り返して対応しましょう。

サモエドの性格を理解してよきパートナーになろう（まとめ）

サモエドは愛情深く温厚な性格で、人間と遊ぶのが大好きな犬種。お散歩などで一緒に過ごす時間がしっかり確保できれば、パートナーとしてもぴったりです。サモエドスマイルに象徴されるかわいらしい表情から「The Happy Breed（幸せな品種）」とも呼ばれており、お迎えすればきっと幸せをもたらしてくれるでしょう。

この記事を参考に、サモエドの性格や特徴・飼い方のポイントなどをよく理解して、より良い信頼関係を築いてくださいね。