狂犬病のワクチンを愛犬に打つのは義務なのか?集団接種のタイミングや副作用など解説
#健康
犬を飼う人にとって、愛犬のワクチン接種に関する疑問や悩みを抱いている人も多いです。犬のワクチンには、義務化されているものとそうではないものとに分けることができ、状況に応じて飼い主さんの判断が求められます。
そこで今回は、唯一義務化されている狂犬病ワクチンについて、なぜ打つのが義務となっているのか、集団接種のタイミングや気になる副作用などについて詳しく解説します。
なぜ狂犬病のワクチンは義務なのか
狂犬病は、とても恐ろしい病気です。
すべての哺乳類が感染する可能性があり、そのなかには私たち人間も含まれます。
発症した場合、発熱や頭痛などの風邪症状から徐々に症状が進行し、脳炎を引き起こします。
そして最終的には昏睡状態に陥り呼吸が停止し、死に至るという病気です。
治療法がないということから、未然に予防していくことが必要となっています。
長い期間、日本では狂犬病の感染が発表されていませんが、アジア地域においては人へ感染する経路が犬であるという点から、狂犬病ワクチンが重要視されるようになりました。
人へ被害が広がらないよう、犬へのワクチン接種を行ない、狂犬病を防ごうというわけです。
このような流れから、犬への狂犬病ワクチンが義務化されました。
義務化されている狂犬病ワクチンですが、犬の状態によっては接種が難しい場合もあります。
たとえば、以下のような状態であるときは、ワクチンの接種が免除されるので確認しておきましょう。
- 過去に狂犬病ワクチンを打ち体調が悪化した
- 何らかの疾患を抱えている
- 重度の感染症になっている
- 老犬になり体力や免疫力が低下している
狂犬病ワクチン、集団接種のタイミングについて
狂犬病ワクチンは義務化されているワクチンであるため、集団接種を実施しています。
各市区町村にて問い合わせることで、集団接種の日時に関するスケジュールについて知ることが可能です。
指定された場所に向かい、狂犬病ワクチンを打ってもらうことになります。
受けるタイミングは、成犬の場合は4月~6月に受けるようにと言われています。
市区町村から狂犬病ワクチンに関するハガキが届くところもあるため、春の時期に接種できるよう予定を立てておくと安心です。
また、子犬の場合は、生後91日以降で自宅に来てから30日以内にワクチンを接種することが決められています。
子犬を迎えるときは、飼い主さん自身が犬との生活環境に慣れるのに大変なタイミングです。
そのようななかでも狂犬病ワクチンは義務化されているため、あらかじめ知識を得て、きちんと愛犬に打たせることができるようにしておきましょう。
狂犬病ワクチンを接種していない場合は、20万円以下の罰金が科されるようにもなっています。
狂犬病ワクチンの副作用にはどんなものがある?
狂犬病は、治療法がなく死に至る恐ろしい病気です。
犬から感染する経路を断つためにも、犬を飼う人が愛犬にワクチンを受けさせることが大事です。
その一方で、ワクチン接種による副作用が気になるという飼い主さんも少なくありません。
愛犬に接種させても大丈夫かなと不安を感じるとき、副作用についての知識を得たうえで対応するようにしましょう。
ここでは、狂犬病ワクチンによる副作用と対処法についてご紹介します。
嘔吐
狂犬病ワクチンを接種した後、嘔吐してしまうことがあります。
嘔吐する回数が1、2回ほどで、その後元気な様子ならひとまず経過観察で大丈夫です。
一方、嘔吐する回数が多かったり、元気も食欲もない、ぐったりしている様子のときは動物病院で診てもらいましょう。
下痢
嘔吐の他に、下痢の症状がみられることもあります。
通常は固めである便が柔らかく下痢の状態になっているときは、嘔吐のときと同じく1、2回で収まり元気な様子なら経過観察とします。
下痢を繰り返している、嘔吐も伴っているなどの症状が現れた場合は、速やかに動物病院で診察を受けましょう。
発熱や体の痛み
注射した箇所に痛みを感じたり、発熱といった症状がみられる場合もあります。
軽い発熱や痛みなら経過観察でよく、その後少しずつ体調がよくなっていくでしょう。
発熱や体の痛みが取れず、下痢や嘔吐などの症状も現れているときは、動物病院で診てもらう必要があります。
狂犬病ワクチンによって起こる可能性のある副作用には、他にも痙攣や震えなどが挙げられます。
ワクチン接種後は、愛犬の体に異変が起きていないか、こまめに飼い主さんが確認し、様子を見てあげましょう。
狂犬病ワクチンの副作用を予防するためにできること
狂犬病ワクチンだけでなく、他のワクチンを接種する際にもできる限り副作用は抑えたいものです。
愛犬の体調が悪くなると、飼い主さんも慌ててしまいます。
そこで、体調が万全なときに狂犬病ワクチンを接種できるよう、次のようなことに気を付けてみてください。
- ワクチン接種により副作用が出たことを獣医師に相談する
- 接種前の旅行やいつもと違う過ごし方は控える
- トリミングやシャンプーは控える
- ワクチン接種後の散歩はいつもより少なめに
- ワクチン接種後30分以内は安静にし、様子を見る
- 副作用が出やすいとされる1歳未満の子犬や10歳以上の老犬には注意が必要
愛犬のその日の体調や体質により、狂犬病ワクチンを接種した後の様子が変わってくることも考えられます。
少しでも気になることがある場合は、事前に獣医師に相談しておくのも良いでしょう。
狂犬病を防ぐため、犬を飼う者の責任としてワクチンは受けることが勧められています。
狂犬病ワクチンについて理解し、安心して生活できるよう接種することが大切
治療法がない狂犬病は、ここ何十年かは日本で確認されていないものの、とても恐ろしい病気です。
人へ感染するリスクを防ぐために、犬への狂犬病ワクチンが義務化されました。
義務化された背景と狂犬病の恐ろしさを理解し納得したうえで、狂犬病ワクチンを受けるようにしましょう。
犬と人とが安心して生活するために、みんなが理解を深めて行動することが大切なのです。