パグの性格とは?特徴や飼い方など徹底解説
#犬種図鑑
まん丸の大きな瞳に短い鼻、垂れた耳、ひたいの皺が特徴的なパグは、その愛嬌のある容姿に魅了される人も多く、常に人気ランキングの上位に入っている犬種です。いつかパグをお迎えしてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、パグの特徴や性格、歴史、飼い方のコツやしつけのポイントについて詳しく解説していきます。パグと暮らしている方や興味をおもちの方は、ぜひ参考にしてください。
パグはどんな犬種?
パグは小型犬の中でも、コンパニオンドッグ(人間の伴侶犬)・トイドッグ(小さな愛玩犬)と呼ばれるグループに属する犬種です。犬の原種に近いといわれており、いろいろな国の王室に愛された由緒正しい犬でもあります。ここでは、パグの特徴について解説していきます。
パグの大きさ・外見
パグは成犬になると、体高25〜28cm前後、体重6〜8kg前後の大きさになります。ジャパンケネルクラブでは、体躯はコンパクトで引き締まったプロポーション、筋肉は堅いことが好ましいとされています。小さいながらもがっしりとした、筋肉質な体つきが特徴です。
スカル(頭蓋骨の長さ)よりマズル(鼻の長さ)が短く、鼻のあたりには皺があります。大きな瞳と垂れ耳、くるんと巻いた尻尾と、愛らしい容姿をしています。
パグは短頭種
パグは短頭種というグループに属する犬です。短頭種とは名前のとおり鼻(マズル)が短い犬種のこと。フレンチブルドッグ、ボストンテリア、シーズー、ペキニーズなども短頭種に属します。
短頭種の犬は鼻・のどの構造が狭くなっており、呼吸器系が弱い傾向にあります。そのため、健康に暮らしていくためには配慮が必要です。
パグの毛色
ジャパンケンネルクラブでは、パグの毛色として以下の4種類を認めています。
フォーン
フォーンとは英語で「薄い黄褐色」という意味で、ベージュに近い毛色です。
ブラック
ブラックは全身が黒い、いわゆる「黒パグ」の毛色です。フォーンとブラックは日本に多い毛色です。
アプリコット
アプリコットはオレンジ色がかった明るい茶の毛色です。日本では見かけることの少ないめずらしい毛色です。
シルバー
シルバーは白っぽい毛色に薄いグレーが乗ったような毛色です。こちらも日本ではめずらしい毛色です。
パグの歴史
パグの原種は紀元前2,000年ごろのアジアにいた大型犬だといわれています。チベットの僧院で飼われておりペキニーズなどと交配されて徐々に小型化していきました。紀元前600年ごろには中国に渡り、宮廷で飼われるようになりました。
その後、16世紀に東インド会社を経てヨーロッパへ渡ります。オランダの王室をはじめ、フランス、ロシアなどの貴族のあいだで大流行しました。
さらにイギリスでブリーディングされるようになり、庶民にも広がっていったのです。やがてアメリカにも渡り、20世紀になると日本でも小型の愛玩犬として親しまれるようになっていきました。
パグの名前の由来は?
パグ(Pug)名前の由来には諸説あります。
- 握りこぶしという意味のラテン語「pugnus(プグヌス)」
- いびきをかいて眠る王様という意味の中国語「覇歌(パークー)」
- 古い英語で「優しく愛されるもの」
どの説も紀元前から続くパグらしい歴史が感じられます。
パグの性格の特徴
古くから愛玩犬として飼われてきたパグの性格の特徴は、明るくて誰とでも仲良くできることです。また、素直で賢く、頑固な性格もあわせもっています。それでは、パグの性格の特徴をみていきましょう。
愛情深く寂しがりやの性格
パグは人懐っこく愛情深い性格をもっています。飼い主さんが大好きで、一緒にお散歩に行ったり遊んだりすることを楽しみにしています。
初めて会う人や犬とも仲良くできる子が多い犬種です。この性格の裏返しとして飼い主さんと離れるのを嫌がる子も多く、長時間のお留守番にはあまり向いていません。
素直で賢い性格
飼い主さんや家族が大好きなパグは人の言うことをよく聞きます。話しかけるとじっとその人を見つめて、話を聞いているような素振りをすることも。とても素直で賢く、かわいらしい性格の持ち主です。
意志が強く頑固な性格
愛情深く、素直なパグですが、頑固な一面もあります。お散歩のときなど、納得できないコマンドに対し、座り込んで動かなくなるなどの行動を取ることも。
パグは興奮しやすい性格?「パグ走り」とは?
パグは走ったり遊んだりすることが大好き。興奮すると走るという特性があり、パグ愛好者の間では「パグ走り」として知られています。パグ走りは次のようなときによく起こります。
- 驚いたとき
- おもちゃなどで遊んでいるとき
- お散歩の前
- お風呂の後
- ゲージから出したとき
一度走り出すとしばらく走りまわっているので、初めてみる人は驚くかもしれません。しかし成長と共に徐々におさまっていくので気長に待ちましょう。
パグのしつけのポイント
パグは賢く素直な性格からしつけのしやすい犬種といわれています。一方で、頑固な性格ももちあわせているので、性格をよく理解したうえでしつけをしましょう。
コマンドで行動をコントロール
コマンドとは、犬にしてほしい動作を求めるときにかける言葉のことです。コマンドは緊急時にも役立つため、必ずできるようになっておきましょう。覚えておきたいコマンドには次のようなものがあります。
- イイコ、ヨシ
- マテ
- スワレ
- ダメ
- フセ
- オテ
- オカワリ
- オイデ
また、コマンドは家族のあいだで統一しましょう。たとえば、ある家族は「スワレ」、別の家族は「おすわり」、もう1人は「Sit(シット)」とバラバラのサインを出すのは混乱の原因になるのでNGです。「スワレ」と決めたら家族全員が「スワレ」で指示をだします。
褒めて伸ばす
パグは明るく素直な性格なので、しつけのときには褒めて伸ばしてあげましょう。褒められると嬉しくなり、一生懸命しつけにこたえてくれます。
パグの飼い方のコツ
パグは温厚で明るい性格と小型犬であることから比較的飼いやすく、初めて犬をお迎えする方にもおすすめです。しかし、頑固な性格や短頭種特有の健康上の問題など、気をつけるべきポイントもあります。ここでは、パグと一緒に暮らしていくうえで理解しておきたいポイントについてみていきましょう。
暑さ対策はしっかりと
パグは短頭種なので暑さに弱く熱中症になりやすい犬種です。また、被毛が短いため寒さに弱いのも特徴です。
そのため1年を通して温度調節を欠かすことができません。エアコンを使用して、夏場は25度以下、冬場は20度くらいになるように調節しましょう。
お散歩のコツ
パグのお散歩は、朝夕1日2回、それぞれ20分程度おこないましょう。太りやすい犬種なので定期的なお散歩が欠かせませんが、短頭種なので気をつけたいポイントがあります。
走ったりした後に苦しそうだったり、舌の色が変わったりしていたら運動が多すぎる可能性も。愛犬の様子をよく観察して適度なお散歩を心がけてください。
食事の注意点
パグは食欲が旺盛で太りやすい犬種なので、ドッグフードの規定量は必ず守りましょう。肥満は心臓病などの病気のリスクが高くなり、足腰にも負担をかけ関節などを痛めてしまう恐れがあります。適正体重キープできるように気をつけましょう。
シワのお手入れ
パグの特徴である顔の深いシワ。最大のチャームポイントですが汚れが溜まりやすく、放っておくと臭いが出てしまいます。パグのお顔のお手入れは次の手順でおこなうのがおすすめです。
- ガーゼやタオルをお湯か水で濡らしてレンジで温める
- シワのあいだを丁寧に拭く
- 狭いシワの汚れは綿棒で取る
- 最後に乾いたタオルで水分を拭き取る
ブラッシングとシャンプー
パグはオーバーコートとアンダーコートの2種類の被毛をもつダブルコートの犬種です。アンダーコートは季節によって毛が生え変わるので日々のブラッシングが欠かせません。
ブラッシングにはラバーブラシと獣毛ブラシを使い分けるのがおすすめです。肌を傷つけず、やさしくブラッシングできます。シャンプーの基本は1か月に1度。もし被毛がベタつくようであれば、皮膚の状態にあわせて1〜2週間の間隔でシャンプーをする必要があります。
パグにおすすめのフードは?
パグに健康で長生きしてもらうためには、バランスの取れた総合栄養食(ドッグフード)がおすすめです。栄養バランスの良い高品質のフードであるだけではなく、パグのかかりやすい皮膚病や骨・関節の病気をサポートしてくれるフードを取り入れるのも選ぶとよいでしょう。
フードを選ぶときのポイント
ドッグフードは添加物が少なく高タンパク質・低カロリーのものがおすすめです。パグは太りやすいので、脂肪分が高いフードは肥満につながる可能性があります。また、皮膚や関節の保護のためには、良質なたんぱく質、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸、乳酸菌のほか、ミネラルが含まれているフードがおすすめです。
また、原材料をしっかりと確認することも重要です。ほとんどのフードには包装に原材料が表示されているので、購入の際にチェックしてください。ここでは、ドッグフードを選ぶときのポイントについて解説していきます。
動物性タンパク質が多く含まれているものを選ぶ
原材料名は含まれている割合の多いものから順に表示されています。先頭に書かれているものが「鶏肉」であれば、すべての原材料のなかで「鶏肉」が最も多く含まれていることになります。
フードによっては「〇%」と割合が書いてあるものもありますので、動物性たんぱく質が多いフードを選ぶときの参考にしてください。また、パグは食物アレルギーがある子も多いため、牛肉や鶏肉などにも注意が必要なことがあります。
原材料名がはっきり分かるものを選ぶ
どこから仕入れたか分からない、どのような動物・肉を使っているのか分からないといった原材料は、「肉類副産物」「肉類」などと表示されていることがあります。愛犬の健康のためにも「牛肉」「子羊肉」など、はっきりと原材料名が表示されたフードを選びましょう。
穀物の含まれる量が少ないものを選ぶ
小麦粉やとうもろこしなどの穀物は、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。パグは小麦粉に対してアレルギー症状を起こす子が多いため、無症状であっても穀物は避けたほうがよいかもしれません。最近は穀物を含まない「グレインフリー」のフードも増えています。
添加物の含まれる量が少ないものを選ぶ
日本では「ペットフード安全法」(農林水産省・環境省)により、一定の量を超えて摂取すると害をおよぼす可能性のある添加物が定められています。該当する原材料が含まれている場合は含有量に注意しましょう。また、人工香料や着色料が含まれているフードもできるかぎり避けましょう。
ZIWI Peak 「エアドライ・ドッグフード トライプ&ラム」
https://lutie.jp/products/detail/303
「エアドライ・ドッグフード マッカロー&ラム」は、ラム(子羊)とグリーントライプ(草食動物の胃)をメインに、犬が消化しやすい良質な動物性原材料を96%以上配合したフードです。腸内環境を整えるプロバイオティクスが豊富なグリーントライプ以外にも、緑イ貝や軟骨、オメガ3脂肪酸などがバランス良く配合されています。フレーク状なので、マズルの短いパグでも食べやすい形状に刻むことができます。
454g:5,720円(税込)
ACANA「ハイエストプロテイン ドッグフード パシフィカレシピ」
https://lutie.jp/products/detail/284
牛肉や鶏肉などの肉にアレルギー反応があらわれた場合は、魚を動物性タンパク源とするフードを取り入れてみましょう。「ハイエストプロテイン ドッグフード パシフィカレシピ」は、サバやニシン、メバルなどの魚でつくられた高タンパク質・低脂肪のフードです。青魚が配合されているので、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸も多く含み、パグの皮膚や被毛のケアにも役立ちます。
2kg:8,580円(税込)
Orijen「ドッグフード オリジナル」
https://lutie.jp/products/detail/290
「ドッグフード オリジナル」は、良質な動物性原材料を85%含む高タンパク質な無添加フードです。高タンパク質なだけではなく、ビタミン類、ミネラルなどもしっかり摂取できます。
さらに、軟骨や内臓なども含んでいるのでパグの関節ケアにもよいでしょう。グレインフリーなので食物アレルギーの子にも安心して与えることができます。
340g:1,958円(税込)
パグの寿命
パグの寿命は約12〜14歳で小型犬の平均寿命とほぼ同じですが、すべての犬のなかではやや長いほうです。しかし、生活環境や日頃のケアによって寿命は大きく変わってきます。病気やケガの早期発見・早期治療は飼い主さんの責任でもあるので、愛情をもって愛犬のお世話をしてあげましょう。
パグの価格相場
パグはブリーダーやペットショップなどでよく販売されている犬種です。しかし、短頭種であるパグは出産時のリスクが高く、多くの場合は帝王切開が必要になります。そのため、ほかの小型犬と比較して価格は若干高めになる傾向があります。
価格の相場は25万~50万円前後
パグの価格相場は25万~50万円前後ですが、毛色や血統によって価格は変動します。毛色は一般的にブラックはフォーンよりも高く、アプリコットやシルバーも日本では稀少なため高額になります。
パグがよくかかる病気・ケガ
パグは飼いやすい性格である一方で病気の多い犬種でもあります。長く一緒に過ごすためには、動物病院での定期診断はもちろん、日頃から飼い主さんが注意深く観察することも必要です。ここでは、パグがよくかかる病気やケガについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
目の病気・ケガ
パグは眼球が大きく突出しているので目の病気にかかりやすく、なかでも多くみられるのが角膜腫瘍です。角膜潰瘍は眼の表面にある角膜が欠損してしまう病気で、外傷や感染症、ドライアイなどが原因で発症します。目をかゆがってこする、白目が充血する、膿(うみ)のような目やにが出る、涙がとまらないといった症状がみられたら動物病院を受診しましょう。
呼吸器系の病気
パグは短頭種であるため、鼻やのどの構造が狭く、鼻腔狭窄や軟口蓋過長などの呼吸器系の病気を発症しやすい傾向があります。鼻腔狭窄は鼻腔が狭くなることで、軟口蓋過長はノドの奥にある軟口蓋が長く厚くなることで呼吸が妨げられるようになります。暑くないのにハアハアいったり、少しの運動でもガーガー音をたてて息をしたりする症状がみられますが、そのような場合は熱中症にもなりやすいため十分な注意が必要です。
皮膚の病気
パグは皮膚が弱く皮膚病にかかりやすい犬種です。気をつけたい皮膚の病気として代表的なものに、犬アトピー性皮膚炎とマラセチア皮膚炎があります。
犬アトピー性皮膚炎は全身に痒みをともなうアレルギー性の病気で、パグの約10%が発症するといわれています。薬による炎症コントロールがおもな治療ですが、ブラッシングでアレルゲンを除去するなど、日常での対処も必要です。
また、マラセチア皮膚炎はカビの一種であるマラセチアが、かゆみや湿疹などを引き起こす起こす病気です。犬アトピー性皮膚炎と合併症を起こすこともあります。
骨や関節の病気・ケガ
骨や関節の病気やケガは、パグのように足の短い犬によくみられます。骨が発育しない骨軟骨形成不全、膝がはずれてしまうパテラなどが代表的です。歩きたがらない、足を引きずるといった症状がある場合、骨や関節の病気の疑いがあります。
熱中症
パグは短頭種であるため熱中症になりやすい犬種です。呼吸が荒い、心拍が早い、口の中が赤い、ヨダレが多い、ぐったりしているなどの症状がみられたら、すぐに水を飲ませ、氷や保冷剤を使って体を冷やしましょう。
応急処置を終えたら、必ず動物病院を受診してください。また、下痢や嘔吐、チアノーゼ、失神といた症状がある場合は、一刻も早く動物病院へ行きましょう。
パグについてよくある質問
Q1.早食いは病気になることもあると聞きました。うちの子は早食いですがどうしたらいいですか?
A1. 早食いは消化不良や肥満の原因になる恐れがあるため、愛犬の健康のためにも何らかの対策が必要です。フードを変える、食事の回数を増やすといった方法が一般的ですが、犬が食べにくい構造のフードボールが販売されているので、一度試してみるのもよいでしょう。
Q1.臭いが気になります。どこか悪いのでしょうか?
A1. パグの皮膚は脂性肌なので、皮脂でベタつきやすい反面乾燥もしやすく体臭も強くなりがちです。特に顔のシワに汚れが溜まると臭いが発生してしまいます。定期的なシャンプー以外でも、顔や体を温かいタオルなどで拭いてあげましょう。あまりにも臭いが強い場合は皮膚病の可能性がありますので、動物病院を受診してください。
Q1.家の中を走りまわります。止めることはできますか?
A1.パグはふとしたことがきっかけで走りまわることがあります。成長にともなってだんだんと走らなくなるため心配はありません。しかし、床がフローリングの場合はすべって関節などを痛める可能性があるため、カーペットを敷くなどの対策が必要です。
パグの性格を理解してよきパートナーになろう
まるで飼い主さんの話をじっと聞いているかのような愛らしい表情、ちょっとコミカルな動きと魅力いっぱいのパグ。明るくほがらかな性格で、飼い主さんのことをこよなく愛する愛情深い犬種です。
素直で賢い性格の持ち主なので、一緒に暮らせばとてもよいパートナーになってくれるでしょう。ぜひこの記事を参考に、愛犬との充実した毎日を過ごしてください。