ジャックラッセルテリアの性格とは?特徴や飼い方など徹底解説
#犬種図鑑
人気ハリウッド映画「マスク」に出演、ぴょんぴょんとはねる姿で一躍人気者になったジャックラッセルテリア。かわいらしい顔立ちとやんちゃな性格に魅了される人も少なくありません。
そこで今回は、ジャックラッセルテリアの特徴や性格、歴史、飼い方のコツやしつけのポイントについて詳しく解説していきます。ジャックラッセルテリアと暮らしている方や興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
ジャックラッセルテリアはどんな犬種?
ジャックラッセルテリアはイギリス原産の小型犬で、狩猟犬としてのルーツをもつ犬種です。かわいらしい容姿ですがテリアの特徴を備えており、活発で勇敢な一面もあります。
ジャックラッセルテリアの大きさ・外見
ジャックラッセルテリアは成犬になると体高25〜30cm前後、体重5〜6kg前後の大きさになります。また、ジャパンケネルクラブでは、体高5cmに対して1kgを理想としています。
たとえば、体高が25cmの場合、5kgがベストな体重となります。体高よりも体長が長く、体つきは筋肉質でしなやかです。
ジャックラッセルテリアの被毛
犬の被毛には、オーバーコートとアンダーコートの2種類の被毛をもつダブルコートと、オーバーコートだけが生えているシングルコートがあります。ジャックラッセルはシングルコートで、被毛は太くて強いことが特徴です。また、シングルコートの犬は1年を通して毛が抜けます。
毛色はホワイトを地色にブラックやタンのマーキングが入り、毛質にも以下の3パターンがあります。
スムース
短くやわらかな直毛が特徴です。ツルっとした手触りで、3パターンの毛質のなかで最も毛が抜けます。
ラフ
ウェーブがかった硬めの長毛をラフといいます。毛はそれほど抜けませんがトリミングが必要です。
ブロークン
短毛のスムースと長毛のラフが混ざって映えている毛質をブロークンといいます。この毛質をもつジャックラッセルテリアは、きつね狩りだけではなく穴熊なども狩れるように小型化し、脚を短く改良された種です。
ジャックラッセルテリアの歴史
ジャックラッセルテリアの歴史は比較的浅く、誕生したのは19世紀のイギリスでした。ここでは、ジャックラッセルの歴史を追ってみましょう。
狩猟犬として誕生
ジャックラッセルテリアを作出したのは、1800年代のイギリス・デボン州の牧師、ジョン=ラッセルでした。ジャックラッセルテリアという名称は、この牧師ジョンの別名である「ジャック」に由来しています。
ラッセル牧師の趣味はきつね狩り。犬はきつねを仕留めるために巣穴に潜ったり、馬と一緒に走ったりと大変な役目を求められていました。
その役目に耐えられるように、テリアやハウンド種などを掛け合わせて作出されたのがジャックラッセルテリアです。しかし、ラッセル牧師は自身の存命中には品種登録をせず、フォックステリアと呼んでいました。
「ジャックラッセルテリア」として品種登録
ラッセル牧師の死後、このフォックステリアはパーソンテリアとジャックラッセルテリアの2つにわかれて繁殖されるようになりました。よく似た外見を持つ両種ですが、パーソンラッセルの方が脚が長く体型はややスクエア、ジャックラッセルはやや短足で長方形に近い体型をしているという違いがあります。
その後、ジャックラッセルテリアは1960年頃にオーストラリアに渡り改良されました。ジャパンケネルクラブの原産地の項目に「改良国:オーストラリア」と記載があるのはそのためです。そして2003年、「ジャックラッセルテリア」としてFCI(国際畜犬連盟)に正式に認められました。
ジャックラッセルテリアの性格の特徴
きつね狩りの犬として誕生したジャックラッセルテリアは、非常にポジティブな性格の一方で鋭い知性や大胆さもあわせもつ犬種です。ここでは、ジャックラッセルテリアの性格を詳しくみていきましょう。
「テリアの中のテリア」勇敢な性格
もともとテリアとは、ラテン語で大地を表す「terra」が語源だといわれています。その名のとおり、テリアは大地を駆けたり穴を掘ったりするのが得意な犬種です。
ジャックラッセルテリアもテリアらしいテリアの気質を引き継ぐ犬種。好奇心旺盛で活発、勇ましく頭の回転も速い犬です。
狩猟犬としての本能が強く、体力・気力ともに旺盛です。気が強い性格でもあり、まさにテリアの中のテリアといってよいでしょう。
飼い主さんに忠実な「ワンマンズ・ドッグ」
活発で気が強い性格のジャックラッセルテリアですが、明るさと賢さもあり、小さな頃からていねいにトレーニングをすれば、飼い主さんや家族に忠実な「ワンマンズ・ドッグ」になります。また社会化訓練をおこなうことで、ほかの犬や人とも良好な関係を気づくことができます。
ジャックラッセルテリアの飼い方のコツ
かわいい外見や明るい性格からはなかなか想像できませんが、スタミナがあって猟犬としての本能も強いジャックラッセルテリアには、その性格や気質にあった環境が必要です。ここでは、ジャックラッセルテリアの飼い方のコツを解説していきます。
ジャックラッセルテリアのための住環境
毛が短く寒がりのジャックラッセルテリアは室内で飼いましょう。活発だからといって庭に出してしまうと、穴を掘る、木に登る、柵を壊すといった方法で脱走してしまうかもしれません。
庭に出すときは必ず見張っているようにしましょう。また、とても俊敏なのでので、室内でも二重扉にするなど外に出ない工夫が必要です。
お散歩について
活動量が多いジャックラッセルテリアは、1日に2回、それぞれ30分以上のお散歩が必要です。さらに週末はドッグランなどでしっかりストレスを解消させてあげましょう。運動が足りずにストレスが溜まると、破壊行動をすることがあります。
遊びの時間も必要
好奇心旺盛なジャックラッセルテリアは、お散歩とは別に遊ぶ時間も必要です。狩猟の本能が強いので動くおもちゃなどは大好き。おもちゃに紐をつけて動かすと喜んで遊びます。
また、スポーツドッグとしても活躍できます。フリスビーやアジリティーなど、飼い主さんと一緒に取り組めるスポーツがおすすめです。
ジャックラッセルテリアのお手入れ
シングルコートなので1年を通じて抜け毛があります。なかでもジャックラッセルテリアは抜け毛が多い犬種なので、毎日ブラッシングをする必要があります。ラバーブラシと獣毛ブラシの2つを使いわけるのがおすすめです。
また、毛質が長めのブロークンやラフの場合は、毛が伸びていくのでトリミングをしましょう。プラッキングという専用のナイフで死毛を抜く作業をおこなうと、被毛が健康で美しくなります。プラッキングに慣れないあいだはトリマーに任せるのもおすすめです。
どんな家庭に向いているか?
ジャックラッセルテリアはとても元気のよい活発な犬です。お散歩に行く時間が確保できる家庭やアウトドアなどが好きな家庭に向いています。トレーニングやケア適切におこなわないと、ストレスをためて家を破壊したり噛んだりするようになるので、犬をはじめて飼う人には難しい犬種といえるかもしれません。
ジャックラッセルテリアのしつけのポイント
狩猟犬がルーツのジャックラッセルテリアは、しっかりトレーニングをおこなわないと、物を壊したり噛んだりするようになる子もいます。子犬のうちから適切なトレーニングをおこないましょう。
遊びながらトレーニング
好奇心旺盛な性格で遊ぶのが大好きなジャックラッセル。トレーニングには遊びを取り入れることをおすすめします。
「オテ」ができたらおやつを与える、呼び戻しの訓練にはボールを使う、お散歩の途中で「ツケ」の訓練をする、といった方法で教えていきます。気が強い性格でありながら飼い主さんに怒られるのは苦手なので、褒めてのばすことを心がけましょう。アジリティーなどは飼い主さんとの信頼関係を築く、指示を聞き守る、ということにも役立ちます。
覚えておきたいコマンド
ジャックラッセルテリアと生活するなかで覚えておきたい基本のコマンドには、以下のようなものがあります。繰り返して覚えさせることで、興奮したときなどの行動のコントロールに役立ちます。
- イイコ、ヨシ
- マテ
- スワレ
- ダメ
- フセ
- オテ
- オカワリ
- オイデ
ジャックラッセルテリアにおすすめのフードは?
ジャックラッセルテリアに健康で長生きしてもらうためには、栄養が過不足なく含まれた総合栄養食(ドッグフード)がおすすめです。活動量の多い犬種なので、筋肉や関節をケアする成分が多く含まれるものがよいでしょう。ここでは、ジャックラッセルテリアにあったフードの選び方について解説していきます。
フードを選ぶときのポイント
活動量の多いジャックラッセルテリアには高タンパク質のフードがおすすめです。また、皮膚や関節の保護のために、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、乳酸菌のほかコンドロイチンなどのミネラルが入っているフードを選ぶとよいでしょう。
また、購入する際は包装に表示されている原材料をしっかりとチェックしてください。それではチェックするポイントをみていきましょう。
動物性タンパク質が多く含まれているものを選ぶ
原材料名は含まれている割合の多いものから順に表示されています。先頭に書かれているものが「鶏肉」であれば、「鶏肉」が最も多く含まれています。フードによっては「〇%」と割合が書いてあるものもありますので、購入するときの参考にしてください。
原材料名がはっきり分かるものを選ぶ
どこから仕入れたか分からない、どのような動物・肉を使っているのか分からないといった原材料は、「肉類副産物」「肉類」などと表示されていることがあります。愛犬の健康のために、はっきりと原材料名が表示されたフードを選びましょう。
穀物の含まれる量が少ないものを選ぶ
最近、穀物による食物アレルギーの犬が増えています。ジャックラッセルもシングルコートで皮膚のケアが欠かせない犬種なので、なるべく穀物含有量が少ないものを選びましょう。
穀物の中でも小麦やとうもろこし、米などは特に注意が必要です。穀類を含まない「グレインフリー」のフードも増えています。
添加物が少ないものを選ぶ
日本では「ペットフード安全法」(農林水産省・環境省)により、一定の量を超えて摂取すると害をおよぼす可能性のある添加物が定められています。該当する原材料が含まれているフードは含有量に注意しましょう。また、人工香料や着色料が含まれているフードもできるかぎり避けましょう。
ZIWI Peak 「エアドライ・ドッグフード マッカロー&ラム」
https://lutie.jp/products/detail/305
ZIWIはニュージーランド産のこだわりの原材料で作られたフードを提供しているブランド。グレインフリーや高タンパク質のフードが揃っているので、ジャックラッセルにおすすめのブランドです。
「エアドライ・ドッグフード マッカロー&ラム」は、ラム(子羊)とグリーントライプ(草食動物の胃)をメインに、犬が消化しやすい良質な動物性原材料を96%以上配合したフードです。腸内環境を整えるプロバイオティクスが豊富なグリーントライプ以外にも、緑イ貝や軟骨、オメガ3脂肪酸などがバランス良く配合されています。
454g:6,270円(税込)
ACANA「ドッグフード スポーツ&アジリティレシピ」
https://lutie.jp/products/detail/257
ACANAは、自然に近い素材を使った添加物の少ないドッグフードを提供しているカナダのブランドです。「ドッグフード スポーツ&アジリティレシピ」は、鶏肉やカレイなどの新鮮な動物原材料を75%、フルーツや野菜、ハーブを25%と動物性タンパク質を多めに配合しているので、活動量の多いジャックラッセルテリアにもぴったりです。
11.4kg:25,300円(税込)
Orijen「ドッグフード オリジナル」
https://lutie.jp/products/detail/290
「ドッグフード オリジナル」は、良質な動物性原材料を85%含む高タンパク質な無添加フードです。高タンパク質なだけではなく、ビタミン類、ミネラルなどもしっかり摂取できるので、ジャックラッセルテリアにおすすめです。さらに、軟骨や内臓なども含んでいるため関節ケアにも役立ち、グレインフリーなので食物アレルギーの子にも安心して与えることができます。
340g:1,958円(税込)
ジャックラッセルテリアの寿命
現在の犬の平均寿命は14〜15歳程度。それに対してジャックラッセルテリアの寿命は約13〜16歳なので平均的といえます。比較的病気が少ない犬種なので、飼い主さんが適切にケアをすることで健康に長生きしてくれるでしょう。
ジャックラッセルテリアの価格相場
ジャックラッセルテリアは、比較的ブリーダーやペットショップなどからお迎えしやすい犬種です。
価格の相場は25万~40万円前後
ジャックラッセルテリアの子犬の価格相場は約25万~40万円です。片目のまわりだけに色がついている「アイパンチ」は価格が高くなる傾向があります。また、血統によっても価格が大幅に高くなることがあります。
ジャックラッセルテリアがよくかかる病気・ケガ
ジャックラッセルは比較的病気やケガの少ない犬種です。しかし、活発で運動量が多いことが原因で病気やケガをすることがあります。愛犬が長く健康にすごせるように、ぜひ参考にしてください。
関節の病気
活発なジャックラッセルテリアは関節の病気が多い犬種です。歩きたがらない、引きずるといった症状が見られる場合、骨や関節の病気の疑いがあります。ひざの骨が脱臼する膝蓋骨脱臼(パテラ)や前十字靭帯断裂には、特に気をつけてあげましょう。
糖尿病
遺伝子性の病気が少ない犬種ではありますが、糖尿病には注意が必要です。特に肥満の子は糖尿病のリスクが高くなるので、日頃から食事への配慮が必要です。
歯の破損・欠損
噛むことが大好きなジャックラッセルテリアは、いろいろなものを噛んで歯を折ってしまうことがあります。折れた場所によっては、神経を抜く、歯を抜くといった処置が必要になります。
ジャックラッセルテリア Q&A
ここでは、ジャックラッセルについてよくある質問に回答していきます。
Q1:家族を噛む癖があり困っています。
A1:ジャックラッセルは本来狩猟犬なので、さまざまな理由から噛んでしまう癖のある子がいます。噛み癖は子犬の頃からしっかりとトレーニングすることで改善していきます。しかし、成犬になるとトレーニングは難しくなります。まずは「ダメ」と教え、おもちゃなど代わりのものを与えます。また、噛む時に興奮しているのか、要求しているのか、など、状況によって対応が変わります。対応が難しいときは専門家に相談しましょう。
Q2:毎日毛が抜けて大変です。
A2:ジャックラッセルはよく毛が抜ける犬種で、特にスムースは1年を通してよく抜けます。しかし、抜け毛を減らすのはなかなか難しいことです。毎日ブラッシングをして抜けかかっている被毛を取り除いてあげるとよいでしょう。Q3:まだ5ヶ月の子犬なのですが、家具や靴などよく噛みます。
A3:見つけたらその場で叱る、取り上げるということを地道に繰り返しましょう。家具など噛む場所が決まっている場合は、ビターアップルなど舐めると苦いスプレーを使うのもひとつの方法です。ジャックラッセルテリアの性格を理解してよきパートナーになろう
元気いっぱいの明るい性格でかわいい顔立ちのジャックラッセルは、一緒に過ごすことでかけがいのない家族の一員となってくれるでしょう。とてもパワフルでやんちゃな性格の一面もあり、手間がかかることもあるでしょう。
しかし「手間のかかる子ほどかわいい」の言葉どおり、気長につきあっていくうちに愛情もより大きなものに育っていくでしょう。この記事を参考に、ジャックラッセルテリアの性格や特徴をよく理解して愛犬との信頼関係を築いてください。