ヒルズドッグフードの特徴とは？評判・口コミなど徹底解説

「Hills」ヒルズドッグフードは、アメリカ企業Hill's Pet Nutrition, Incの提供する食事療養食及びドッグフードです。歴史と実績のある動物フードのメーカーで、日本でも多くの飼い主さんが利用しているため、ペットショップや動物病院などでパッケージを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなヒルズドッグフードの特徴や評判、原材料などについて徹底的に解説します。愛犬の新しいフードを探している方や、健康を重視したフードを選びたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ヒルズドッグフードの特徴は？

ヒルズドッグフードの特徴は、豊富な種類と栄養価の高いフード、比較的購入しやすいといったことが挙げられます。これらの特徴についてみていきましょう。

動物の専門家が作った安全なフード

ヒルズドッグフードの研究には、220人以上の獣医師、栄養学博士、食品科学などそれぞれの分野の専門家が携わり、栄養価が高くバランスの良いフード作りに取り組んでいます。合成保存料・酸化防止剤などの添加物は不使用です。また、多くの犬たちも"テイストテスター”として関わり、犬の好みの味や硬さ、形状についても研究されています。

豊富なラインナップ

ヒルズドッグフードには、特別療養食「プリスクリプションダイエット」、総合栄養食「サイエンス・ダイエット」、プロ用「サイエンス・ダイエットプロ」があります。

• 「プリスクリプションダイエット」：42種類
• 「サイエンス・ダイエット」：28種類
• 「サイエンス・ダイエットプロ」：13種類

フードは全部で83種類。それぞれがライフサイエンスを踏まえ、年齢・大きさ・健康状態などのほか、ドライフード、缶、シチュー缶など、それぞれの犬に合った栄養素を含んだものとなっています。

総合栄養食、特別療養食、プロ用の違いは？

総合栄養食とは、これだけ犬に食べさせていれば、1日に必要なエネルギー・カロリーは摂取できるというもの。ペットショップやホームセンターなどで購入可能なフードです。

特別療養食は、特定の症状や栄養ニーズを持つ犬のためのフードです。ライフサイエンスに基づき、細かくレシピが用意されています。例えば、結石や結晶のある犬のための「尿ケア」の場合、尿石の管理や再発防止に役立つ配合・ミネラルバランスのフードとなっています。

購入する場合は獣医師の推奨が必要で、主に動物病院などで販売されています。プロ用は、通常の「サイエンス・ダイエット」より免疫力サポートに力をいれており、ブリーダーなどペットのプロフェッショナルのためのフードです。

獣医師が勧めるドッグフード

多くの犬用フードのメーカーの中でも、臨床データを取って公開しているところは少ないのが現状です。そんな中、ヒルズドッグフードは臨床データを取り、科学的に検証して作られています。客観的なデータがあるため、獣医師も飼い主さんに勧めやすいのです。

ヒルズドッグフードの選び方やその特徴は？

前述の通り、ヒルズドッグフードは種類が多いのが特徴です。ここでは、飼い主さんが購入しやすい「サイエンスダイエット」28種類、特別療養食「プリスクリプションダイエット」42種類の中から、選ぶポイントや、主な製品について解説していきます。

年齢に合わせて選ぶ

年齢に合わせて選べるフードは、全部で28種類。成長期の子犬のためのものから、シニア犬の総合栄養食まで幅広いラインナップです。

小型犬の子犬に「サイエンス・ダイエット 小型犬用 パピー」

画像出典：ヒルズHP

こちらは12ヶ月までの小型犬の子犬や、妊娠後期・授乳期の母犬のためのドライフード。脳の働きや学習能力をサポートするDHAを含み、良質なタンパク質、適切なミネラルバランスが特徴です。栄養価が高く、成長期の犬にも安心。

高齢の小型犬のための「サイエンスダイエット シニア 10歳以上 小粒 高齢犬用 チキン」

画像出典：ヒルズHP

心臓や腎臓の健康維持のため、ナトリウムやリンの量が適切に調整されています。また、カルシウムやコンドロイチンなどが含まれており、骨や関節の健康もサポートしてくれるフードです。ビタミンなどのバランスもよく、エイジングケアを考慮した独自の抗酸化ブレンドとなっているため、シニア期の愛犬にぴったりです。

形状で選ぶ

ヒルズのフードには、ドライフード、ウェットフードには缶詰とシチュー缶の3つの形状があります。ドライフードは、飼い主さんの間でカリカリなどと呼ばれているもので、水分量が10%以下のものを指します。保存期間も長く、与える手間もかからないのですが、水が必要だったり、シニア犬が食べられなかったりするデメリットがあります。

缶詰は通常のウェットフードで、水分が75%以上含まれているものを指します。匂いもよく食いつきがいいのですが、保存期間が短めです。

またシチュー缶は、食物の形状を残したやわらかいフードを指します。ウェットフードよりもさらに食いつきがよく、食欲がない、好き嫌いが多いといったときにもおすすめです。

「プリスクリプション・ダイエット（特別療法食）消化ケア」

画像出典：ヒルズHP

消化器の弱い子、おなかを壊しやすい子のための特別療養食。ヒルズの研究による食物繊維のブレンドで、腸内フローラを活性化させます。

オメガ-3、6脂肪酸も豊富で免疫力もサポート。ウェットフードなので、おなかの具合の悪い犬も食いつきがよく、消化がよいのが特徴です。

「プリスクリプション・ダイエット（特別療法食）メタボリックス チキン&野菜入りシチュー 缶詰」

画像出典：ヒルズHP

肥満、肥満傾向にある犬のためのフード。肉や野菜の形状を残したシチュータイプで、犬のくいつきは抜群です。必要な栄養素は備えつつ、低カロリーで減量に役立つというデータが立証されています。

大きさに合わせて選ぶ

小型犬〜大型犬と、犬の大きさに合わせて選ぶ方法もあります。ヒルズドッグフードでは、小型犬、中型犬、大型犬でカテゴライズされています。

「サイエンス・ダイエット 小型犬用 アダルト 1～6歳 成犬用 チキン」

画像出典：ヒルズHP

小型犬、成犬のための総合栄養食。高品質なタンパク質、カルシウム、グルコサミン、ビタミン類、オメガ3、6脂肪酸を配合し、健康維持、免疫力サポートに役立ちます。

「サイエンス・ダイエット 大型犬用 アダルト 1～5歳 成犬用 チキン」

画像出典：ヒルズHP

高品質なタンパク質、カルシウム、グルコサミン、ビタミン類、オメガ3、6脂肪酸などにプラスして、大型犬の関節や軟骨のサポートのために、グルコサミンとコンドロイチンを配合。健康な筋肉、骨の維持に役立ちます。

ヒルズドッグフードの評判、口コミは？

実際のヒルズドッグフードの評判はどうなのでしょうか？通販サイトやSNSでのレビューなどの中から、リアルな評判や口コミを集めてみました。

良い評判、口コミ

ヒルズドッグフード　サイエンス・ダイエット

• 5キロのマルプー基本のフードをこちらにしています。(フード+お肉や野菜で味変してます！)
  硬さとサイズがちょうど良いみたいで、良いうんちが出ます！試しに他のフードに変えたらうんちが固かったり、柔らかかったり、、。値段も安いし、体質的にも合っているようなので3回リピ買いしております♪

出典：amazon

ヒルズドッグフード　プリスクリプション・ダイエット

• 中型犬雑種(柴犬サイズ)を飼育しています。元々肝臓が強くないのでお腹や胃の調子が悪くなりがちだったのですがシニア犬になってきてからは獣医師さんからの勧めでこれを常食として与えています。
  1缶の量が多くはないためこれだけを与えるとすぐに尽きてしまうのと、飽きさせないようにという理由でササミや野菜を塩を使わずに茹でたものと混ぜて与えています。
  ペットショップなどで最初に購入していた他の製品に比べて明らかに脂っぽさが少なく、その上で不味くないのか美味しそうに食べています。
  消化器が弱っている犬用の缶詰としてはロイヤルカナンのものもありますが、犬本人もこちらの方を好んでいることもあり、こちらを優先的に購入しています。

出典：amazon

ヒルズドッグフード　プリスクリプション・ダイエット

• 膵炎の治療で動物病院から勧められたフードです。膵炎が完治して半年ほどになりますが、以前のフードでは月に数度の頻度で吐き戻していましたが、その現象がほとんどなくなっています。食いつきもよく助かっています。

出典：楽天市場

悪い評判、口コミ

ヒルズドッグフード　サイエンス・ダイエット

• 5ヶ月のゴールデンに与えたのですが、お腹が緩くなりやすく　うちの犬には合わなかったみたいです。何度か今までのフードに混ぜてみましたが、毎回お腹を壊してしまう。柔らかくお湯でふやかしてもダメでした。

出典：amazon

ヒルズドッグフード　サイエンス・ダイエット

• 好んで良く食べて食いつきは良かったのですが、嘔吐が続いてしまい、消化がしにくいようでした。フードの切り替えを断念して混ぜる量を極力減らすと吐かなくなりました。
  うちのこには合わなかったようで残念。食事としてではなく、合間のご褒美や間食、おやつ的に胃の負担になりにくいよう少しずつあげるようにしています。

出典：amazon

ヒルズドッグフード　プリスクリプション・ダイエット

• 前は低アレルゲンの方をあたえていました。今回アレルゲンフリーに変えてみましたがウンチがゆるくなり困っています。低アレルゲンの方が色は黒いですがコロンとしたウンチで処理しやすかったです。7,5キロの袋を買ってしまい後悔しています。

出典：楽天市場

口コミ・評判まとめ

目立ったのは、動物病院から勧められて購入した飼い主さんの声でした。コンディションがよくなり、結果の出るフードという声が目立ちました。

しかし、悪い評判・口コミも一部にあり、合わない犬がいるのも事実です。ヒルズドッグフードを試したい場合、まずは獣医師に相談したり、小さめのパックから利用したりするのがおすすめです。

ヒルズドッグフードの安全性は？原材料・成分を徹底調査

動物の栄養学に沿ったフードづくり、しっかりした臨床データ、獣医師からも飼い主さんからも評価の高いヒルズドッグフードですが、本当に安全なフードなのでしょうか？原材料、製造過程、品質管理などから、さらにヒルズドッグフードに迫ります。

原材料・成分を分析　

ここでは、食べている犬の多い「サイエンス・ダイエット 小型犬用 アダルト 1～6歳 成犬用 チキン」について見ていきます。実際に表示されている原材料は以下のとおりです。

‎トリ肉（チキン、ターキー）、トウモロコシ、小麦、米、動物性油脂、トリ肉エキス、植物性油脂、亜麻仁、ポークエキス、トマト、柑橘類、ホウレンソウ、ミネラル類（ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素）、乳酸、ビタミン類（A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン）、アミノ酸類（タウリン）、酸化防止剤（ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物）

栄養学の専門チームが研究しているだけあり、さまざまな栄養素を含んでいるバランスのよいフードであることがうかがえます。合成の添加物も含まず、肉類もチキンとターキーのみで、肉副産物なども入っていません。

その中で気になるものは、小麦、動物性油脂、柑橘類の3つです。動物油脂と柑橘類に関しては、具体的な原材料がわからないというだけですが、最も気になるのは小麦。アレルゲンの心配はないのでしょうか。

小麦が原材料に入っていても大丈夫？

犬は本来肉食だから、アレルゲンの原因になるからと、最近のドッグフードはグレインフリー（小麦などの穀物を含まない）がトレンドです。しかし、ヒルズは以下のようにアナウンスしています。

水を加え圧力をかけて加熱すること（アルファ化）で、食べることができるようになります。炭水化物源としての穀物を減らすことで、相対的にタンパク質の含有量が増えてしまうと、高齢期の犬猫にとっては内臓に負担がかかることもありますので注意が必要です。

出典：ヒルズHP

こういった理由から、小麦を原材料の一つとして使っています。

ヒルズドッグフードの製造方法、品質管理

栄養価に富んだフードでも、製造工程や品質管理が悪ければ、酸化などによって品質が低下してしまいます。ヒルズドッグフードはどのような管理体制をとっているのでしょうか。

まず、原材料には、品質基準を満たした生産者のものしか使われていません。また、独自の製造基準を定めて、清潔・衛生的な工場の環境の中で作られるよう徹底されています。

出荷前にも安全検査をおこない、安全な状態で消費者の手元に届くよう徹底されています。このように、製造方法・品質管理ともに十分であることから、安心して購入できる商品といえるでしょう。

ヒルズドッグフードの1日の給与量は？

多くの製品の中から、一例として「ヒルズ サイエンス・ダイエット アダルト1～6歳 中粒 成犬用 チキン」の給与量目安を見てみましょう。

1日の給与量目安

体重	グラム (g)/ カップ
2 kg	50 g/ 0.7
4 kg	85 g/ 1.1
6 kg	115 g/ 1.5
8 kg	145 g/ 1.9
10 kg	170 g/ 2.3
15 kg	230 g/ 3.1
20 kg	285 g/ 3.8
30 kg	385 g/ 5.1
40 kg	480 g/ 6.4
50 kg	565 g/ 7.5

※代謝エネルギー100gあたり372kcal、200ccカップ1杯で約75g

上記の量は目安であり、犬の運動量、コンディションなどによって変わります。痩せたり太ったりしていないか、飼い主さんが愛犬の様子を見て調節してあげてください。また、ヒルズには「給与量ガイドプログラム」という、1日あたりに必要なフードの量を計算してくれるサイトがあります。

ヒルズドッグフードの価格は？

ヒルズドッグフードの数ある種類の中から、とくに人気な「サイエンス・ダイエット 小型犬用 アダルト 1～6歳 成犬用 チキン」と、健やかな皮膚を保つための「ヒルズ プリスクリプション・ダイエット（特別療法食）オールスキンバリア 小粒」の価格を紹介します。

それぞれのフードの価格は？

●「サイエンス・ダイエット 小型犬用 アダルト 1～6歳 成犬用 チキン」

1.5kg：2,992円（お試しサイズ）

5kg：4,000〜4,500円

●「ヒルズ プリスクリプション・ダイエット（特別療法食）オールスキンバリア 小粒」

1.35kg：5,355円

3kg：11,200円

「満足保証」制度を利用しよう

ヒルズドッグフードには、満足できなかった場合に返金を保証する制度「満足保証」があります。ヒルズの公式サイトで受付していますので、もし満足できなければ購入から30日以内に返金申し込みをしてください。

ヒルズドッグフードのメリット・デメリット

ヒルズドッグフードの特徴、口コミ、価格など、今までの内容を踏まえつつ、改めてメリット・デメリットを比較してみました。

ヒルズドッグフードのメリット

• 多くの動物の専門家が作った安全なフード
• 臨床データが豊富
• 種類が多く、愛犬に合ったものがセレクトできる
• よい口コミが多く安心できる

栄養、臨床データ、種類、口コミ、品質管理、共に安心できるものであることがわかりました。実際のところ、デメリットはあるのでしょうか？

ヒルズドッグフードのデメリット

• 価格帯が高め、特に「プリスクリプション・ダイエット」は高価なものも
• 食事療養食などは動物病院での推奨が必要
• 原材料に一部気になるところがある

市販のドッグフードは1kg1,500円から2,000円ほどのものが多いのに対し、「プリスクリプション・ダイエット（特別療法食）オールスキンバリア 小粒」だと、1kg5,000円ほど。「プリスクリプション・ダイエット」のブランドは、獣医師の推奨も必要です。動物油脂、小麦などの原材料が気になる方もいるかもしれません。

しかし、犬の栄養学・行動学などに基づいたフードであり、疾患の改善に関する臨床データがあることなどを考慮すれば、健康が気になる犬は試してみる価値のあるフードといえるでしょう。

まとめ

ヒルズドッグフードは、獣医師、栄養学博士、食品科学など専門家の研究によって作られた、栄養価の高いフードです。製造管理、品質管理もしっかりしており、安心できるブランドといえるでしょう。

愛犬の健康維持にこだわりたい、より健康になってほしいという方や、持病のある犬の飼い主さん、実績のあるフードを購入したい方にとっておすすめのフードだといえます。まずは少量から、食いつきや体調に変化があるかを見ながら試してみるのはいかがでしょうか。