愛犬に必要な栄養素の役割とは?一番最初に知っておくべき基礎知識
#健康
愛犬にはいつまでも元気でいてほしい、そう考える飼い主さんが多いなか、毎日の食事に注目することはとても大切です。
犬種や年齢に沿って開発されたドッグフードが多い今、含まれている栄養素について細かく確認することも少なくなりました。
しかし、健康的な体を維持するためには、犬にとって必要な栄養素とその役割について理解することが重要です。
愛犬に必要な栄養素の役割を知り、病気に負けない丈夫な体を保てるようにしましょう。
犬にとって必要な三大栄養素
犬に必要な栄養素を見ていくとき外せないのが、三大栄養素です。
タンパク質、炭水化物、脂肪の3つを指しており、犬の体に欠かせない栄養素といえます。
ここにビタミンとミネラルを加えると五大栄養素とも呼ばれます。
今回は、三大栄養素について詳しく見ていきましょう。
タンパク質
アミノ酸を供給するという役割を持つタンパク質は、皮膚や毛、筋肉、靭帯、軟骨などと体の様々な部位にとって必要な栄養素です。
タンパク質には動物性と植物性とがありますが、多くの市販のドッグフードにはその両方がバランスよく含まれています。
多くの種類があるアミノ酸のうち、犬の体内で作り出すことができる種類もあれば、食事でしか補うことのできない種類も存在します。
食事から摂取する必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といい、ドッグフードに配合されているのです。
このタンパク質は、不足または過剰摂取によって体に不調が現れるため注意しましょう。
たとえば、タンパク質が不足すると、体重が落ちたり毛並みが悪くなったり発育や生体機能にも支障が生じます。
一方、過剰摂取をすると、腎臓に負担がかかり、最終的に腎不全を招いてしまう恐れがあるので注意が必要です。
犬の体に欠かせないタンパク質、食事からバランスよく補うことが重要なのです。
炭水化物
炭水化物も、犬の体にとって大切な栄養素です。
エネルギー源となり、不足することで疲れやすくなるなど症状が顕著にみられるようになります。
反対に摂取しすぎると、肥満を招く栄養素でもあります。
ドッグフードのなかには摂りすぎにならない範囲で炭水化物が含まれており、活発に動くために必要なものです。
犬にとって必須ではない炭水化物ですが、タンパク質を有効活用するために炭水化物を配合しているドッグフードが多くなっています。
また、炭水化物は手軽に摂取できるエネルギー源というだけでなく、食物繊維としての役割も持つため、適量を摂取しておくことでお腹の調子を整えられるというメリットもあります。
脂肪
体温の維持という役割を持つ脂肪は、脂溶性ビタミンの吸収を促したり、食事の嗜好性を高めるなどの役目も持つ栄養素です。
その他、ホルモンの生成、皮膚・被毛を美しく保つ際にも脂肪が必要となってきます。
脂肪は、肉や魚の脂身、植物油などに含まれ、タンパク質や炭水化物のときと同じくバランスよく摂取することが大事です。
脂肪が不足すると毛並みに艶がなくなったり、フケが出てくることもあります。
症状が進むと皮膚炎を発症してしまう恐れもあるので、要注意です。
また、妊娠しているときに不足することで、生まれてくる子犬に異常が出たり死亡してしまうこともあります。
一方、脂肪を摂りすぎた場合は、急性膵臓炎発症のリスクが高まるので危険です。
多くの脂肪を消化しようとし多くのリパーゼを分泌することから、膵臓に負担がかかってしまいます。
市販のドッグフードでは、脂肪分の割合が成犬で5%以上、発育期や妊娠期で8%以上となっているため、この数字を目安にフードを選ぶ方法も良いでしょう。
犬に必要な三大栄養素、食事での割合はどれぐらい?
タンパク質、炭水化物、脂肪は、犬にとって必要な三大栄養素です。
そんななか、今ではドッグフードに適量含まれているものであり、飼い主さんにとって意識することが少ないかもしれません。
そこで、三大栄養素の食事での割合についても今一度確認しておきましょう。
割合を参考にドッグフードを選ぶことで、より愛犬の体のリズムが整います。
一般的なドッグフードの場合、タンパク質は25%、炭水化物は66%、脂肪は16%といった配分で作られています。
環境省より発行されている「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」に記載されている内容で、これをもとにドッグフードが作られているのです。
三大栄養素にプラスしてビタミンやミネラルも大切な栄養素
三大栄養素について詳しく見てきましたが、上記でも少し触れたように、ビタミンやミネラルも犬に必要な栄養素となっています。
そこで、ビタミンとミネラルについても理解し、ドッグフードで適切に補えるようにしましょう。
ビタミン
発育や体の活動を正常に機能させるために必要となっているのが、ビタミンです。
三大栄養素を助ける役割も持ち、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンとの2種類があるのも特徴となっています。
脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は、皮膚や粘膜を正常に保ったり、免疫機能に関わったり、骨の代謝や血行促進など様々な部分で必要な栄養素です。
過剰摂取によって中毒症状が起きる場合があるので、摂りすぎには気を付けましょう。
水溶性ビタミン(B群、C)は、摂取しても尿で出てしまうことが多いため、不足しがちな栄養素です。
エネルギーの代謝やコラーゲンの生成、神経機能の維持など役割も多いので、ドッグフードに含まれているかを確認しておくと安心です。
ミネラル
ミネラルは、骨や歯の形成、細胞の働きを促すといった生命機能をサポートする栄養素です。
およそ40種類あるうち18種類が必須ミネラルとなっており、犬の体にもわずかではありますが含まれています。
ドッグフードを選ぶ際には、ミネラルの種類や含有量を確認し、適量を与えるようにしましょう。
愛犬に必要な栄養素を知り、ドッグフードを慎重に選んでみよう
犬には、三大栄養素にビタミンやミネラルといったように必要な栄養素が存在します。
どの栄養素がどのように体に作用するのかを知り、ドッグフードを選ぶ際の参考にしてみましょう。
愛犬の体に合うフードが見つかると、調子の良い日が続くようになります。
いつまでも元気でいてもらうためにも、日々の食事の栄養素に注目してみてください。