愛犬に障がいがあったらどうすればいい?見過ごせない遺伝性疾患やADHD
#健康
障害は、人だけでなく犬の体にも起こりうることです。
遺伝性の疾患で体が思うように動かない、飼い主さんのサポートが欠かせない犬も実際にいます。
では、もし自宅で飼っている愛犬に障害があったらどうすれば良いのでしょうか?
どのような病気が考えられるのか知り、自宅でのケア方法について考えてみましょう。
犬の障害、遺伝性疾患やADHDについて
犬の障害には、遺伝性疾患やADHDなどが挙げられます。
疾患の種類によってみられる障害も異なり、動物病院で診断をしてもらい、そのうえで飼い主さんができるサポートをすることが求められます。
犬の障害にはどんなものがあるのかを詳しく知り、もしものときに備えておくことも大切です。
進行性網膜萎縮症
目の網膜がどんどん萎縮してしまうことで視力が低下し、最終的には失明してしまう病気です。
初期の段階では暗い道での散歩がしにくいといった程度ですが、徐々に昼間の視力も低下していきます。
どの犬種においても発症する可能性がある病気で、視力の低下や失明してしまった場合は飼い主さんのサポートが欠かせなくなります。
骨形成不全症
骨を形成しているコラーゲンの異常によって骨密度が低下し、骨折しやすくなる病気です。
ふとしたときに骨折してしまう恐れがあるため、そばで飼い主さんが気を付けてみてあげる必要があります。
骨折してしまった後、骨の形がもとに戻らず変形してしまったままになることもある病気です。
歩きにくいなど日常にも支障をきたす病気として、注意が必要です。
X染色体連鎖筋ジストロフィー
X染色体連鎖筋ジストロフィーは、徐々に筋力が低下していく病気です。
骨格筋が変性したり壊死を引き起こす病気で、子犬の段階で歩き方に異常がみられたり発育不良といった症状がみられます。
6ヵ月を迎える頃には筋力の低下によって転びやすくなり、立つことも少しずつ難しくなります。
その後、呼吸にも障害が現れるようになり、2歳ごろまでに心不全で命を落とす犬が多いです。
ADHD
近年、精神疾患の一つであるADHDを発症する犬が増えています。
ADHDとは注意欠陥多動性障害のことを指し、極端に動き回ったり落ち着きがない、環境の変化に大きく反応するといった特徴があります。
しつけ不足なのかADHDなのか見分けが難しいなか、飼い主さんによっては愛犬の行動に悩まされていることも少なくありません。
このADHDは遺伝性疾患とも呼ばれており、今のところ有効な治療法は見つかっていません。
愛犬に障害がある場合、どのように接すればいい?
遺伝性疾患や精神疾患など、犬の病気については様々な種類があります。
障害が残る場合は、犬にとって飼い主さんに頼ることしかできません。
では、愛犬に障害があるまたは残ってしまった際、私たちはどのように接すれば良いのでしょうか?
日々愛情をたっぷりと注ぐ
愛犬の障害の有無にせよ、大切なのが日々愛情をたっぷりと注ぐことです。
犬は話すことができない一方、全身で思いを表現してくれます。
障害があり日常生活が思うようにいかなくても、大切な家族の一員であること、できる限りそばで寄り添って過ごすことを意識してみてください。
障害や病気によって、犬が不安を抱えていることもあります。
そんなとき飼い主さんがそばにいてくれると、犬も安心できるでしょう。
いつもと変わらず、また今まで以上に愛情を注ぐことが大事です。
上手にできたときはたくさん褒める
愛犬に障害がある場合、しつけや遊びのなかで思うように体が動かずうまくいかないこともあるでしょう。
そんななか、犬は飼い主さんの思いに応えようと一生懸命です。
そこで、飼い主としては、上手にできたときはたくさん褒めるようにし、うまくいかなかったとしても怒ったり責めるのはやめましょう。
ストレスを溜めないように心がける
体が思うように動かせないといった不満から、犬はストレスを感じやすいです。
そのため、飼い主さんは愛犬がストレスを溜めないよう日々接することが大切です。
一緒におもちゃで遊ぶ、たっぷり撫でてあげる、体調の良いときは散歩に行ったりお出かけしてみる、おやつやおもちゃのプレゼントをする・・・など、毎日の生活のなかで愛犬に刺激を与えてみましょう。
それと同時にたっぷりスキンシップをとるようにすることで、愛犬もストレスを溜め込まずに済みます。
生活環境をしっかり整える
よりリラックスして気持ちよく過ごせるよう、生活環境を見直し整えることも大事です。
たとえば呼吸に障害がある際は、室温や加湿に気を付けるようにしたいです。
室温は人が快適と感じる温度より少し低めにする、加湿器などを活用し空気が乾燥しないようにする、まめに掃除や換気を行なって埃やハウスダストの対策を取るなどの方法を実践してみましょう。
楽な姿勢を考え、落ち着いて過ごせる場所を作ってあげよう
精神面だけでなく、脚を動かしにくい、目が見えにくいといった障害がみられることもあります。
そんなときは、家の中で楽な姿勢で過ごせる場所を作ってあげましょう。
ベッドやクッションを活用したり、段差を利用して愛犬が安心して過ごせる空間を作ることで、よりリラックスできるはずです。
また、自分で体を動かせないという愛犬に対しては、床ずれを起こしてしまわないよう、定期的に姿勢を変えてあげるのも忘れないようにしましょう。
生活環境を整える際に、愛犬がより快適に過ごせる空間づくりもしてみてください。
障害があっても愛犬は大切な家族の一員。飼い主さんができるサポートを知り、愛犬のために環境を整えてあげよう
犬も、病気や遺伝性疾患などによって障害が現れることがあります。
愛犬にどのような障害が現れているのかを知り、日々の生活でどんなことに注意すれば良いのか考えてみましょう。
毎日リラックスして過ごせるよう、飼い主さんができるサポートについて知り、実践することが求められます。
自宅のつくりや愛犬の障害の状態などに合わせ、最適な環境を作ってあげましょう。